しばらく円高の傾向が続きそうだ(個人的見解)。円高・株安の中、どうやって退職金を増やしますか?その方法を解説します。
当面の世界経済の状況と株価・為替の見込みは?
金融系の投資のみならず、大きなお金を投資する方であれば、日本を含めた世界の景気や情勢なども気になることと思います。
もちろん長期投資の方にとっては、一時の状況変化にビクビクする必要はありません。
資金の一部を短期の売買で回しながらリスクをとって高利回りで運用したい方や、これから大きなお金を投資したいという方は、できるだけ投資対象を安い時に買いたいと思われていると思います。今回はその話です。
こちらのニュースでは、2019年6月への展望が書かれています。
来週はグローバルなリスク回避、円買い圧力の高まりも
来週の外為市場では、グローバルなリスク回避の地合いを受けて円買い圧力が高まりそうだ。米中貿易摩擦の激化懸念が広がる中、6…
来週の外為市場では、グローバルなリスク回避の地合いを受けて円買い圧力が高まりそうだ。避難先通貨としての円が独歩高となる可能性もある。米長期金利は利下げを意識する展開となり、リスク回避で米国株も下げ余地が大きい。リスク回避の円買い圧力が強まりやすい
今日の日経平均は、341円安の20601円まで下がった。もし来週月曜日に大きく下がれば、一瞬は20000円割れとなるかもしれない。昨年末以来の20000円割れだ。
ドル円も、108.79まで、円高が進んだ。週足で最近の推移を見ると、
昨年末の大きな下げ(これも米中貿易戦争が原因)の際にも、円は大きく買われ104円台にまで円高になった。
非常に簡単に言えば、世界経済がおかしくなったり、戦争が始まりそうになったり、これはどうもやばそうだ、となったら、非常に安定した資産と考えられている円にみな、資産を退避させるのである。円は避難先通貨なのだ。
これから先どうなるか、誰にもわからない。しかし、最近109-110円あたりで膠着状態にあったドル円が、一気に108円台になったのは、大きな変化ではある。
これから、投資を始めようとしている方、退職金をより増やしたいと考えている方には、リスクでもあり、チャンスでもあるわけだ。
投資の基本は、安く買い、高く売るだ。
ドル円の場合、現在、高いのは円で、安いのは米ドルだ。
円の高い時に安いドルを買い、円がまた安くなったら高くなったドルを売るのだ。これで発生した利益を、為替差益というが、さらにレバレッジ(信用取引)で売買して大きな為替差益を得るのが、FXと呼ばれているやつだ。
FXを利用して、手数料を最小化して両替する方法
この記事は、決してFX取引を勧める内容ではない。
FX取引は、前述のように、レバレッジを効かせた取引が可能なので、失敗すると大きな損失を被る(大きな利益を生む場合もあるが)。大事な退職金の多くを投資するには、非常にリスキーである。
退職金の投資では、もっとリスクの少ない方法を検討するのが良いであろう。
前回書いた、こちらの記事は、米ドル建てで米国株に直接投資する方法であった。
もちろん、そう簡単にはうまく行かないのが投資の難しさであるが。
この米国株式投資をやる場合には、記事にも書いたように、
SBI証券 + 住信SBIネット銀行の組み合わせを活用すると、非常に少ない手数料で投資することができる。
住信SBIネット銀行で、手持ちの円を米ドルに換える際の為替手数料は1ドルあたり4銭だ。
さらに、その米ドルをSBI証券の口座に振り込む手数料はゼロ。無料。その逆、SBI証券から住信SBIネット銀行の外貨口座に米ドルを戻す(出金する)時の手数料もゼロだ。住信SBIネット銀行で、今後は外貨口座の米ドルを円に戻す(両替)する際にはまた1ドルあたり4銭の手数料がかかる。これだけだ。
米国株を含む海外株式投資を外貨建てで円高の時に始めようと思われた方は、是非、このSBI証券と住信SBIネット銀行の組み合わせをご検討されてはどうだろうか。詳細は上記記事を参照して頂きたい。
資産として米ドルを保有する方法
前置きが長くなってしまった。
上記のような海外株式への投資まではやらなくても、円高になった際に、円資産の一部を米ドル(外貨)資産に変えておくというのは、ひとつの投資の考え方である。
円はとにかく日本でしか使えない。しかし、米ドルは世界中に流通しており、米ドルで売買できる投資対象は世界中にいろいろある。また、結局は米国経済は世界の中心であり当面まだ強く、日本がいかにこれから衰退しようとも、米ドル資産であればその影響を受けることはない。
リスクの低い定期預金にしても、円貨定期預金の金利より、米国の米ドル定期預金の利率の方がはるかに高い。また、成長中のアジア諸国では、米ドル建てでの高利率な定期預金商品を販売している国も多い。
海外の不動産投資などを行う場合も、決済を円で行うことはない。現地通貨か米ドルだ。アジア諸国であれば、米ドルでの決済も可能であろう。
そして、その為替リスクを最小にするには、円高の時に、有利な条件で、少しづつでも、円資産を米ドル資産に変えておくことを考えるべきだということだ。
非常に単純に言えば、投資し運用する資産は、半分は円で、半分は米ドル持つ。米ドルは、銀行や証券会社などの外貨口座に入っており、必要に応じて口座を移動させて投資する。そういうマルチマネー運用スタイルである。
また前置きが長くなってしまった。
YJFX! を利用して円を外貨(ドルなど)に両替する方法
前述の住信SBIネット銀行で両替して、米ドルを自分の外貨口座に持っていてもよいだろう。前述のとおり手数料は片道、1ドルあたり4銭だ。
例えば、1万ドルの米ドルに両替するのに銀行に払う手数料は、1万ドルx4銭=400円 になる。これでも随分安い手数料だ。
大手メガバンクでは、1ドルあたり1円の手数料をとるところもある。これだと手数料は1万円だ。雲泥の差だ。
確かに住信SBIネット銀行で米ドルに換えると手数料は安いのだが、最大の問題は、その両替した外貨を海外の銀行口座に送金することはできない。また、国内の自分名義の口座に送金するには、3000円の送金手数料をとられる。(SBI証券の口座に送金する場合だけは手数料ゼロ)
SBI証券で米国株などを買うには良いが、一般的な両替・外貨預金口座としては、決して最良とは言えない。
そこでYJFX!を使うのである。
YJFX!はYahooグループが提供するFXの取引会社だ。
証券会社と同じように、YJFX!に口座を作れば、そこでFX取引や、今回紹介する極めて少ない手数料で外貨への両替ができるのである。
FXというと、リスクを感じてしまうかもしれないが、両替するだけであれば、問題ない。
前述のような、持っている現金以上の額を信用取引(レバレッジ)すると、大きなリスクを背負うことになる。そういうFX取引は、勉強してから始めるべきだ。
今回は、そうではなくて、FX という仕組みを使って、お得に外貨に両替する方法なのである。やることは、銀行で円をドルに両替したり、空港の窓口で外貨を購入するのと何も変わらない。まったく変わらないのだ。
YJFX!での両替の方法詳細
では、詳細に方法を説明しよう。
YJFX! 口座の新規開設方法
まずは、いつものようにYJFX!に自分の口座を開設することからだ。
下記より簡単に手続きができる。
上記よりYJFX!のホームページに行き、赤い口座開設の部分をクリックするだけだ。5分で完了だ。
今回は、両替をメインで考えているので、
「FX専用取引口座」の赤い方をクリックしよう。投資信託をここで同時に買いたい方は、青い方をクリックだ。
必要な情報を入力し、マイナンバーカードを写真にとってネットで送る。それだけだ。簡単なので、詳細な説明は不要だろう。
上記での申し込みが完了すると、数日後に、YJFX!から封書が郵送されてくる。そこにログインできる情報などがすべて入っているので、早速ログインできることを確認するのが良いだろう。
YJFX!で円をドルに両替する方法
外貨の取引は、外貨exという名前で呼ばれる。
ホームページはこちらだ。
上記をクリックすると外貨exのログインページに行けるので、郵送で通知されたログインiDとパスワードを入力する。
最新の為替レートがリアルタイムに変化していくので、なんか為替取引をしているみたいで、盛り上がってくるであろう。
まず最初にやるべき事は、両替する元になる円を、自分のYJFX!の口座に入金することだ。
左メニューにクイック入金をクリックしよう。入金もとになる口座は、自分の名前の口座(YJFX!に登録した名前と同じ口座)でなければいけません、などの注意事項も表示されているので、しっかり確認しいよう。
クイック入金は、手続きが完了すれば、即座に、今すぐ、入金が完了する。一瞬だ。
非常に便利であるが、これを使える銀行は限られている
上記に示されている銀行である。住信SBI銀行が含まれているのは個人的には嬉しい。住信SBI銀行はSBI証券との連携も含めて自分のハブだからだ。
いずれにしても、資金のある銀行を選び、入金する金額を入力し、入金するをクリックする。
銀行のサイトに飛ぶので、その銀行口座にログインし、入金手続きを行う。非常に簡単である。
そしてその直後に、すぐさま、すでにYJFX!の口座にそのお金(円)が、入金されているので、右のメニューの口座状況紹介から確認してみよう。口座状況や、通貨別資産状況などで確認できる。
自分の円の口座が、上記の銀行にない場合には、左メニューから「振込入金」を選択する。指定された振り込み口座に、自分の銀行から振り込み手続きをするだけだ。
さあ、早速、円を米ドルに両替しよう。
FX専用の単語がいろいろあるので(サイト内、手続き中)最初は慣れないかもしれないが、難しくない。
左メニューから、取引の「通貨の交換(現受・現渡)」をクリックする。
こんな画面が表示される。これからの手続きの概要がちゃんと解説されている。このとおりにやるだけだ。
まず、STEP1で、ドルを買う(両替する)注文をしないといけない。株を注文するのと同じだ。
右の新規注文画面へ、をクリックする。
このような画面が表示されるはずだ。
ドル/円が選択されていることを確認しよう。ドルと円の間の注文を出すという意味だ。
発注可能数量には、大きな数字が表示されていると思うが、これはレバレッジが効いている数字なので、この数字まで買ってしまうと、信用取引になってしまう。注意が必要だ。
注文数量のところに、ちゃんと先ほど入金した円で買えるだけでのドル数を慎重に入力する。この例では、2000ドルを両替する注文の例になっている。
ドルを買うので、その下の赤い方のレート、108.75円がドルを買うときのレートだ。手数料も含まれたレートである。
YJFXの手数料は非常に安く、この画面で見れるように、米ドルの場合、売りと買いのレートの差は0.3銭(108.752 vs 108.755)だ。
この差額がいわゆる両替手数料であるスプレッドと呼ばれるものだ。YJFX!ではそれが米ドルの場合0.3銭だ。
住信ネット銀行での両替手数料がいくら安いといえ、片道(円→ドル)4銭。往復で8銭。スプレッドは8銭ということになる。その差は歴然でけた違いだ。大きな額を両替すればするほど、この手数料の差は大きくなる。銀行で往復2円の手数料を払うことが、いかに馬鹿げたことかご理解頂けるであろう。
ここに表示されたレートで注文を出し、そのレートで約定(購入完了)するのが基本だが、レートは常に変動している。注文をこのレートで出した直後に、大きくレートが変わってしまった場合、このレートでの購入がずっとできない事になってしまう。
速く買いたい、売りたい時には、困ってしまうわけだ。
このスリッページ機能は、注文したレートよりも、その後のレートが不利な方向に変動した場合には、ここで指定した範囲内のレートでも約定するというものだ。
上図で説明すると、左の80.390というレートで注文したとします。右の図のように、実勢レートが80.390や、それより下の有利なレートに変化した場合(要は円高に動いた場合)には、実勢レートで約定します(購入完了します)。注文は80.390円で2000ドルを買う注文を出した(日本円で80.390×2000=160780円必要)けど、円高に振れたので、80.360円(緑部のレート)で実際には買えた。その場合は購入完了し、必要な日本円は80.360×2000=160720円で済む。これが有利な方向だ。
一方でもし、レートが、円安の方向に振れてしまうと、より多くの日本円を支払うことになってしまう。しかし、まあ、それでも、ある程度悪くなっても購入したいという場合には、このスリッページに何段階上のレートまで許容するかを指定できるのだ。
上図では3.0を指定した。80.390の注文レートより、3ポイント不利なレート(80.400,80.410,80.429)までは、購入して良いという意味だ。指定せずにスリッページをゼロにすると、注文したレートより不利なレートでは購入しないということになる。
まあ、あまり金額が大きくなく、1銭レベルの変動にはこだわらなければ、3なり9なりの数字を設定した方が、購入はしやすくなる。約定しないと、購入(両替)したことにならないのだ。
詳細には、以下のページで解説されているので、もう少し理解したい方は参照して頂きたい。
このように設定した後に、赤いBUYをクリックすると、その時に表示されているレートで注文を入れることができます。
約定(購入完了)すると、約定したと表示されます。
この状態をFXでは、買いポジションを建てたという言い方をします。取引上、ドルを2000ドル買った状態です。通常のFX 取引では、もちろん、このあと、円安になったころにこの2000ドルをまた売って(円に替えて)、その差益で儲けるのが目的なのです。いずれは売るための仮の財布に2000ドルが入っている状態ということです。
今回の目的は両替ですので、このままではダメなのです。
左メニューから、先ほどの、「通貨の交換(現受・現渡)」をクリックして、STEP2に進みましょう。
「通貨の交換(現受・現渡)を行う」 というところです。クリックすると、先ほど注文した2000ドルの注文が表示されていると思います。注文番号をクリックしてください。
注文番号や、通貨ペア、受取額、支払額などが表示されていると思います。ここで初めて、2000ドルが円と両替されるのです。
現受・現渡実行をクリックしましょう。
続けて出金依頼へと表示されますが、とりあえず出金する前に、先ほどの左メニューの口座状況紹介をクリックし、通貨別資産状況のタブで、今、現受した2000ドルや、残った日本円が表示されているはずです。
また別の日に両替をしたければ、ここで一旦作業は完了し、また別の日に、前述と同じ手順でドルを買う注文をして、現受までやっておけばよいのです。
この現受は、先ほどの注文で、仮の財布に入っていた2000ドルを、本当の自分の財布(外貨口座)に移す作業を言います。これをしないと、この外貨を外の世界に持ち出すことができないわけです。
これで、大変有利な手数料(為替レート)で、YJFX!の外貨口座に、実際のドルがどんどん貯められていくことになります。
YJFX!でドルを他の自分の外貨口座に出金する方法
YJFX!の外貨口座に米ドルのまま保有していたのではお金は増えません。
この有利なレートでお得に両替した外貨(ドル)を使ってドル建てでの投資を行うことで、退職金を増やすことができるのでしょう。
外貨(ドル)を、他の自分の銀行の外貨預金口座に出金するには、
左メニューの出金依頼をクリックします。出金したい通貨(ドル)を選択すると、先ほどの現受した2000ドルが表示されるはずです。出金したい金額を入力します。
ここで出金手数料が一律で1500円かかります。この1500円は、円口座に入っていなければなりません。
あとは、出金する先の銀行口座番号などの入力すればOKだ。
まとめ
今回の記事では、外貨による外国株取引以外で(SBI証券+住信SBIネット銀行の活用を推奨)、外貨投資をするために、いかにお得に、最小の手数料で円を外貨(ドル)に両替するかの方法を解説した。
- YJFX!の口座を開設
- 円をクイック入金
- ドル買いの注文
- 現受
- 投資先口座に出金
という手順で簡単にできることがわかった。
このすべてにかかった手数料は、米ドルの場合
購入外貨x 両替手数料(0.3銭)と出金手数料1500円だ。2000ドルだと、1506円だけだ。本当に最小の費用で外貨に両替できる。
今回はここまでにしよう。
次回は、この両替した外貨(ドル)をどのように、投資先に展開するのかについて、これまた手数料のかからないお得な方法をご紹介しよう。
続きの記事はこちらです。
さて、みなさん、この厳しい投資環境の中、いかに退職金を増やすのか、賢い方法で頑張っていきましょう!