海外留学、海外への直接投資など、令和の時代には、円の資産を外貨(米ドル)に両替して、それを海外の口座に送金する、ということが必要になる事もあるだろう。
知らずに海外送金などすると、とんでもない手数料がかかるので注意してほしい。
本記事では、いかに手数料をかけずに、円から外貨に両替し、それを海外の銀行口座に送るのかについて解説していきたい。
以下の前回の記事にて、円をほとんど手数料をかけずに、外貨に両替する方法を書いた。
詳細は、記事を参照して頂きたい。
記事では、YJFX!を利用して、円を入金し、外貨(米ドル)に両替し、YJFX!の外貨口座に外貨を格納する(現受)する手順について記載した。
今回はそれ以降の話だ。
YJFX!の外貨口座から外貨を自分の銀行の外貨口座に出金する方法
残念ながらYJFX!から、直接海外の銀行口座に送金することはできない。
まず、日本の自分の銀行口座(外貨口座)に外貨を移動し、そこから海外の口座に送金するという手順になる。
まず、YJFX!からの外貨出金の手順だが、簡単だ。
出金額に上限はないので、できるだけまとめて出金した方が得である。
その際、手数料は、YJFX!の円貨の口座から徴収されるので、そこに手数料分の円が必要になる。
YJFX!で円から外貨に両替する場合、その最小単位は1000外貨通貨だ。米ドルであれば、1000ドル単位ということだ。両替した残りの円貨で、この手数料を支払いできるように、最初に入金する円の額をしっかり計算しよう。
まずYJFX!にログインしよう。
外貨を出金する口座を事前に設定する必要がある。左メニューのお客様情報→登録情報紹介・変更をクリックすると、出金口座(外貨)が表示される。最初は何も設定されていないはずなので、ここに、外貨を出金したい自分の銀行の口座番号を設定しよう。審査が完了すれば、出金可能となる。
左のメニューから、入出金の出金依頼をクリックすると以下のような画面になる。
すでに外貨に両替していれば、通貨としてその外貨を選べば、出金可能金額にちゃんと表示されるはずだ。
実際に出金する金額を入力する。手数料が 1,500円と表示されている。
次へをクリックする。
確認画面が出るので、登録した出金銀行に間違いがないか確認して、出金依頼実行 をクリックしよう。
これだけだ。
YJFX!からどの銀行に出金するべきか
出金先として選択できるのは、
全国銀行協会に登録があり、国内に所在がある金融機関の本店または支店の口座であれば、原則出金可能
とのことだ。
出金元(YJFX!が出金する際に使用する出金元)はドイツ銀行の東京支店となる。ここから、日本の銀行口座に振り込む場合には、単純に振り込みが可能であろうが、もし、途中に中継する銀行を経由しないと、ドイツ銀行東京支店から振り込みができない場合には、出金をお断りしている、とのことなので、一応注意しておきたい。
さて、では、どこの銀行(自分の口座がある)に出金するのが手数料を節約できるだろうか。
出金時に、YJFX!に1,500円の手数料を支払うのは前述のとおりだが、銀行によっては、外貨を外部から受け取る場合に(自分の外貨口座に入れる場合に)、手数料をとる銀行もあるのだ。ここでまた手数料が発生してしまっては、節約にならない。
ちょっと調べてみると、ソニー銀行、新生銀行は、この外貨入金の手数料が無料である。
他の銀行を含めて、詳細を確認していこう。
みずほ銀行
外貨を入金する手数料だけで、2,500円とられる。ただし、国内にあるみずほ銀行本支店、国内にある銀行からの送金で、送金依頼人が本人の場合は手数料は発生しない。したがってYJFX!からの場合には2,500円の手数料が発生することになる。
外国送金は、上限額が1ヵ月間で200万円相当額まで。
送金手数料は5,500円
三菱UFJ銀行
外貨送金の資金を外貨預金で受け取る場合、個人のお客さま(個人事業者を除く)は無料。
海外への送金時には、送金手数料3,000円(インターネットバンキング)に加え、送金金額の0.05%(最低2,500円)の手数料が追加される。最低でも5,500円かからということだ(金額によってはそれ以上)。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行に、外貨で入金することは不可能である。
海外送金する場合には、必ず円からの両替後になる。この両替で大きな為替手数料をとるのは、他の銀行と同じだ。海外送金手数料は2,000円とリーズナブルであるが、円からの両替で大きな手数料が発生してしまうことを忘れてはいけない。利用する場合には、両替のレートを確認し、いわゆるその時の為替レートと銀行レートの差がどのくらいあるのか確認すべきである。
楽天銀行
外貨を受け取る場合の手数料は、2,450円。この外貨(楽天銀行にある外貨預金口座)を、外貨のまま送金することはできない。必ず円からの両替後に海外送金することになる。
円から両替による海外送金の場合、送金手数料は750円と安い。しかし、両替はいつもの手数料のたっぷり乗った銀行レートである。送金金額によっては、この手段での手数料が安くなる場合があるので(送金金額が小さい場合)確認は必要である。
ソニー銀行
外貨の受け取り手数料は無料。
海外送金の手数料は、3000円/回。 1回あたり500万円相当額まで。
さらに、Club Sでプラチナランクになると、為替手数料の優遇(米ドルだと4銭)、月3回までの海外送金手数料(上記3,000円)が無料になる。
プラチナランクは、月末の外貨預金残高+投資信託残高+Wealthナビの資産評価額=1,000万円以上
が条件になる。他にも様々な条件があるので、詳細は銀行に確認した方がよい。プラチナはしかし、ちょっとハードルが高い。投資信託などを銀行で買うこと自身がまずありえないし・・・
新生銀行
外貨の受け取り手数料は無料。
これまでは、窓口からの海外送金手続きの場合、送金手数料が4,000円(新生プラチナステージだと、月1回無料)であった。
残念ながら、この窓口からの送金は2019年9月30日までとなり、それ以降は、新しいサービスである、[Goレミット」によるオンラインでの手続きに切り替わってしまう。
[Goレミット]はスマホのアプリで、そこから海外送金の手続きがいろいろできる。送金手数料は1件あたり4,000円(外貨口座から外貨のまま送金する場合)だ。円から外貨に両替して送金する場合には、手数料は2,000円だが、為替手数料が銀行レートで発生する。
限度額は1回/月間/年間で各人毎に銀行が設定する。その限度額を変更(120万円を越える額に)する場合には、非常に多くの書類を送る手続きが必要になる。年収を確認できる書類、保有金融資産を確認できる書類、送金目的の妥当性を確認できる書類の写しなどで、非常に煩雑な手続きとなる。
なお、このGoレミットの手数料は、プラチナステージによる優遇はない。
正直、「Goレミット」は、かなりレベルダウンだ・・・
TransferWise
こちらは、銀行ではなく、オンラインで海外送金を専門に行うサービス事業者である。海外の会社だ。
このサービスは非常に特徴的で、実際には銀行間でのお金の送金は発生しない。説明はこの記事では割愛するが、日本から外国にお金を送りたい人、その外国から日本にお金を送りたい人をマッチングさせて、実際には日本と外国間ではお金のやりとりを行わない仕組みなのだ。
従って、実際に外貨に両替する必要はないので、為替手数料もとられないことになる。今回のように、外貨をそのまま海外送金することもできない。
1回の限度額は100万円。
送金手数料は、固定手数料+送金額の何%。送る外貨や場所によっても異なるので、事前に確認が必要だ。
例えば、100万円を米国にドルで送る場合の手数料は、6572円と表示された。(固定手数料214円+送金額の0.64%)
これでも安いが、YJFX!とソニー銀行であれば、9000ドルを両替して送金するのに、27円(両替手数料)+1,500円(出金手数料)+3000円(送金手数料)で、4,527円であり、こちらの方がもっと安く遅れることになる。
まとめ
上記のとおり、YJFX!でお得に両替(ほとんど為替手数料なし)した外貨を、最終的に海外の口座に送金するには、ソニー銀行、新生銀行が良いであろう。
新生銀行は、プラチナステージと合わせるとお得であり、これまでの定番ではあったが、Goレミットへの移行により限度額や手続きの面で非常に問題がありそうだ。プラチナステージの送金手数料無料がGoレミットでは適用されないのもレベルダウンだ。
この点から言えば、現時点での最善方法は、ソニー銀行と言えるだろう。
送金金額も少ないので、それほど為替手数料は気にならないという方であれば、TranserWiseなどの新しいサービスも検討の価値がある。圧倒的に手数料が安い(両替手数料がとられない)のはメリットである。
個人的には、YJFX!で両替し、ソニー銀行に出金し、海外送金することで、ほぼ固定的に1,500円+3,000円で送金する方法を使うことにするのである(YJFX!の為替手数料はもう無視できるレベル)。
ソニー銀行の口座開設すると、JALやANAのマイレージをもらえるキャンペーンもあるので、是非、利用して頂きたい。