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【海外移住】フィリピンで車を買う方法

 

今回、ついにフィリピンで自家用車を購入することになった。このあたりの情報を整理して書き留めておくのだ。

 

フィリピンの交通事情

約10年前にフィリピンを訪れた時には、本当にボロボロの車が多かったが、最近の都市部では確実にお金持ちが増え、自家用車を持てる層が増えたのであろう、綺麗な新車や外車などがかなり増えている。というか、日本のレベルと変わらない光景である。

公共交通機関としては、タクシー、電車、バス、ジープ、トライスクルなどがあるが、行ける場所に制限もあり、外国人にとっては使いこなすのは至難の業である。タクシーはGrab(Uber的なもの)が普及しているので、都市部内での移動については便利に使えるが、それなりの料金をとられるので(日本のタクシーの半額以下という価格感覚だが)、毎日使うと結構な費用になってしまうのだ。

シンガポールのように、地下鉄が網羅的に発達していればよいが、フィリピンはそうではない。仕事をしたり、自由に生活するには、やはり自家用車が必要なのである。

自家用車の普及も進んでいるため、フィリピンの道路渋滞は酷い。それを解消するために、道路工事も各所で進められており、それがまたさらなる渋滞を引き起こしている。特に、朝晩のラッシュは酷く、空いていれば車で10分のところが、40分、50分かかったりする。

車の量も問題だが、道路が整然と整備されておらず、複雑に交錯していたり、そのポイントには信号もなく、譲り合い精神もないので、身動きできないデッドロック状態が多く発生したり、スクーター・ジープ・トライスクル・自転車が車の流れを妨げたりと、渋滞を引きおこす要因にはいとまがないのである。

そういう意味では、自家用車はとても効率が悪いのであるが、今後、自宅から事務所に通ったり、深夜に帰宅するような仕事が始まれば、自家用車なしではいられない。すでに、妻の現地での長期滞在も繰り返されており、今回、ついに、自家用車の購入を決断したのである。

 

フィリピンで車を買うには

これまで、海外駐在をした、アメリカ、ドイツで、自家用車は購入してきたが、海外で新車を買うことは比較的簡単である。もちろん、色々こだわったり、通常より安く買おうとすれば、それなりに手間はかかるのかもしれないが。

よく言われるのは、海外では、日本とは異なり、店先にならんでいる大根を買うのと同じだと言うことだ。要は、ディーラーなどの販売会社に出向き、そこに並んでいる新車のこれをください、はい、わかりました。ということである。

色やグレード、オプションなどを細かく指定したり、それに対する値引き交渉などを重ねる日本と違って、全体としては、もっと割り切った買い方をするという印象である。

フィリピンでもそれは同様である。

この車種のこのグレードのこの色の車をください。はい、いくらです。はい買います。はい、どうぞ。というのが、わずか数日間で完了する。もちろん在庫がある前提で、在庫のない物を注文すると、おそろしく時間がかかる。日本で本国オーダーの外車を買うのと一緒だ。フィリピンでは、基本的には車はすべて外車(輸入車)であることが、その理由であろう。

国内に多様な在庫を持てないフィリピンでは、在庫のあるものを買うというのが基本である。

エージェントによる売買

フィリピンにも、多くのディーラーが存在する。今回はトヨタのディーラーに車を見に行ったが、日本のように、そこに販売員がいて商談を進めることはない。基本的には、エージェントというさらに仲介する人がいて、その人を介して、ディーラーから新車を買うことになる。これはアメリカにもドイツにもなかった制度だ。

フィリピンでは住宅販売、車販売、不動産賃貸など、多くのエージェント業が存在する。末端の販売員を自社でかかえずに、企業はそのエージェントと契約して、社外販売員として活用するという業態が一般的なのだ。

その分、企業の利益は減るのであるが、より多くの販売員を持つことができるし、メリットも大きいのであろう。

で、今回も、親戚にトヨタのエージェントを紹介してもらい、その人を介して商談を進めたのであった。こういう時も、かならず誰かの知り合いというコネクションが必要になる。フィリピンでは、人と人とのつながりがないと生きていけないのである。

 

車の価格

フィリピンでの新車価格はかなり高い。

例えばプリウス。日本では260万円程度から買えるが、フィリピンでは約200万ペソ、約400万円以上ということになる。まさしく、輸入車価格となる。もちろん、海外で製造したものをフィリピンに運ぶ費用がかかるので、仕方ない部分もある。裕福層を対象にした商売ということもあるかもしれない。

もちろんその分、中古車としての売却価格も高くなるわけだが、それは売る時までわからない。とにかく新車は高いのである。

値引きも限定的で、あっても7~8万円程度である。

エージェントを介して、一応、ディーラーの複数の支店(事業者は異なる)から見積もりを取るのであるが、車両本体価格は固定であり、それに対して、上記のわずかな値引きと、支払い条件(利率)、無料オプションサービス(シートカバー無料とか)の細かい条件が異なるだけで、あまり大きな差はない。

あまり細かいことは気にせず、大根を買うつもりで買うしかないという事であろう。

ちなみに、今回、選択した車はこれである。

これは納車の時の写真だ。

トヨタのRUSHというSUVである。フィリピンももれなく、SUVが大人気である。道路事情が悪く、また台風による道路冠水も多発するフィリピンでは、特に車高の高いSUVやピックアップトラックが人気なのである。

個人的にはもっと安いセダンで良いと思ったのであるが、妻の強い希望でSUVとなったのである。

フィリピンで中古車を買うのはリスクが高いというのは、確かにそうだ。水没車が多く、それはぱっと見ではわからない。水につかった中古車は、かなり早期にトラブルが多発するようになる。修理なども日本よりはるかに費用がかかるので、結局は新車を買うのが費用的にもお得という理論だ。

このRUSHという車種は日本では販売されていないようだ。要は、東南アジア向けのトヨタの低価格SUVモデルという位置づけであり、実際には、これはダイハツの車である。ダイハツはトヨタの100%子会社化されてしまっているが、ダイハツが安く開発したモデルをトヨタのRUSHとして、東南アジアで安価に販売するという事なのであろう。

車にそれほど興味のない自分は、安いSUVで日本車なら大歓迎である。

お値段は、約110万ペソ、220万円である。それでも高い。

若干の値引きがあり、半分を頭金として払い、残りはトヨタディーラーのローンとした。

保険などその他の費用

車両本体価格以外に、以下の費用が発生する。

TPL: いわゆる強制保険。車種によって異なるが、今回は年間3600円。価格から見てわかるとおり、ほとんど補償しないレベルの最低限の保険。

LTO: いわゆる自動車税的なもの。これも車種で異なるが、今回は年間2万円程度。

任意保険:強制保険のレベルが低いので、任意保険への加入は必須である。年間7万円弱。

上記のTPL/LTOは、だいたいディーラーのサービスで3年間は無償になる。任意保険も最初の1年は無償というサービスが一般的だ。なので、購入時に払う金額は、ほぼ、車両本体価格だけである。この点は日本とはかなり異なる。日本では、わけのわからない付帯費用を色々請求されるのが普通であろう。

 

無事、納車されたのだ!

在庫を買うのが基本なので、購入契約が成立すると、数日後には納車である。本当に、大根を買う感覚だ。

日本でも、新車を買うと、御祓いに行ったりするが、こちらでもキリスト教的なお祓いの儀式をしてもらうようだ。上は、その時の写真だ。牧師さん的な人が、聖水的な液体をエンジンとかにかけてくれるのだ。なんか怪しいが。

これで無事、自家用車の入手完了である。

長々と書いたが、まあ、思い立ってから、1週間もあれば、自家用車を入手できるということである。

 

いろいろ費用は発生してしまうが、しかし、自家用車があるとないとでは生活レベルに各段の差が出る。いよいよ商売を立ち上げる最終段階では必須だし。これはもう仕方ない必要経費として支出するしかないのである。

あとは妻が、事故なく、安全に、長く、乗り続けてもらうことを祈るだけだ。

ちなみに、自分はフィリピンで車を運転する気はない。とてもじゃないが、あんな場所で運転などできないのである。交通ルールがめちゃくちゃで、現地特有のあうんの呼吸で事故を回避している感じだ。運転などせず、現地人にまかせるのが吉である。

     
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