サイトアイコン 早期退職 : 3人家族の退職金生活

【早期退職】健康保険 会社の健保の任意継続か国民健康保険どっちが得か?

以前、下の記事で、国民健康保険の保険料がとても高いことを書いた。

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会社を退職(早期退職時、定年退職時など)し、次の会社が決まっておらず当面会社勤めをしない場合、今後の健康保険をどうするかを選択しなければならない。

選択肢は基本的に2つだ。

  • 会社の健康保険にそのまま入り続ける(2年間)。その後、国民健康保険へ。
  • すぐに国民健康保険に加入する。

どちらを選ぶかを、退職前に決めなければならないのだ!

健康保険の基本

健康保険組合とは

サラリーマンの場合、これまでは会社の健康保険組合に加入し、毎月給料から保険料を天引きされてきたはずだ。保険証が家族全員に渡されて、病院ではその保険証を提示すればよい。

大きな会社では、会社単位で結構保険組合を造り、従業員が組合員になり保険料を納め、独自に運営している。

独自の健康保険組合を持たない場合には、全国組織である「協会けんぽ」に加入している会社もあるだろう。その他、組織によっては、共済組合や船員保険など、業種全体で組織化されているケースもある。

いずれにしても、会社員や組織員であれば、このような健康保険組合を利用している。

この最大のメリットは、保険料を会社と組合員が折半することだ。今、給料から天引きされている健康保険料は、実は半分なのだ。残り半分は会社が収めてくれているのだ。

ありがとう・・・会社。我々は会社に守られて生活していることを改めて実感します。

国民健康保険とは

上記のような組織での健康保険組合を持たない人(自営業者や退職金節約生活者など)は、国民健康保険に加入して、自分で保険料を納める。もちろん保険料の半分を負担してくれる人はいない。全部自分で払うのだ。

日本に住む人がみな、安心して病院にかかり、3割程度の負担で済むのは、この国民全員を対象にした健康保険制度が整備されているからなのだ。

ありがとう・・・日本。日本はすばらしい社会福祉の国だ。

海外では、先進国であっても、このような国制度ではなく、自ら高い保険料を払って民間の保険会社に加入するのが普通の国も少なくない。

先の記事のように、確かに国民健康保険の保険料は高く感じるが、ありがたい制度なのだ。お金持ちだけが病院にかかれて病気を治せる国、なんてみな嫌ですよね?

退職後の健康保険

会社の健康保険組合は、もちろんその会社員でなければ加入できない。退職した場合には、次の会社が決まって(そこの健康保険組合に加入する)いない場合には、基本的にはみな国民健康保険に加入する必要がある。

しかし、退職後2年間は、今の会社(退職前の会社)の健康保険組合に継続して加入できる制度があるケースが多い。退職後も、今までと同じ健康診断サービスなども受けられたり、保養上が利用できたり、いろいろなメリットもある。

このように退職後も会社の健康保険組合に加入し続けることを、「任意継続被保険者制度」(任継:にんけい)などと言う。

「にんけいにしよっかなぁ」などと言うと、早期退職のプロっぽく見える。活用して頂きたい。

 

任意継続と国民健康保険 どちらが得か

要は、その判断をしなければならないということだ。

最大の観点は保険料がどうなるかということだ。

いろいろな趣旨はあるだろうが、任意継続制度があるのは、退職後に国民健康保険に移ると、保険料が恐ろしく高くなる事を救済するというものがあると思う。

国民健康保険の保険料は、基本的には前年の収入で決まる。要は、退職する前年の収入だから、会社勤めの時の収入がまるまる保険料算出のベースになってしまうのだ。今年(退職後)はまったく収入がなくなるのに・・・・・

とてもじゃないけど、そんな保険料払えない・・・というのを救済する趣旨という意味だ。

では、それぞれ、どのように保険料が決まるのかを整理していこう。

任意継続の場合の保険料

これは、会社の健康保険組合にルールがあるので、聞くしかない。全国組織である協会けんぽを参照すると、

保険料=退職時の標準報酬月額 x 住んでいる都道府県の保険料率

となっている。

ただし、標準報酬月額には上限があり、協会けんぽの場合は30万円とある。例えば、神奈川県の平成31年の場合、上限の30万円の標準月額の場合、57歳の自分の保険料は保険料率11.64%で34,920円(月額)とのことだ。ここの表からの抜粋である

年齢や自治体によって保険料率は異なるので、各自で計算する必要がある。とにかく、いずれにしても、月35000円前後といった感じか

ここで注意ポイントだが、上記はあくまでも「協会けんぽ」の場合である。会社の健康保険組合に加入している場合には、それぞれにルールが違うので、組合に確認必須だ。

残念ながら、一般的に、会社の健康保険組合の場合、上記の標準報酬月額の上限額が上がる傾向にある。会社単位なので、平均の月収が全国の平均より高い傾向があるためだ。

例えば、xxx株式会社健康保険組合の任意継続保険料では、標準報酬月額の上限は40万円となる。その場合、保険料の最大値は、40万円x 保険料率(11.64%)=約47,000円となる。保険料率も高くなる場合もある。

このように一般的には会社の健康保険組合の任意継続では、月47,000円と保険料が高くなってしまう

 

繰り返すが、この保険料は、会社の健康保険組合のルールなので、各自で確認が必要だ。

ちなみに、自分の場合は、会社の健康保険組合の任意継続での保険料は、健康保険料、介護保険料あわせて、月額約45,000円とのことでした。

いずれにしても、退職後の任意継続保険料は、この標準報酬月額に上限を設定してくれているのでありがたい。退職時前年の収入がいくら高くても、保険料上限が抑えられるのだ。

国民健康保険の保険料

国民健康保険は、自治体単位で運営されている。よって、保険料の計算や、減免制度(保険料を安くする制度)も自治体で異なる。

退職後に、すぐに国民健康保険に加入する場合の保険料を知りたければ、直ちに区役所にGOだ!

 

で、今日、行ってきた。

横浜市港南区役所だ。

写真のように、立派な区役所なのだ。

2Fに健康保険窓口があるので、整理券をとって待機。15分ほどで呼ばれ、退職するのだけど、国民健康保険に加入する場合の保険料の試算したいのだと告げる。さらに、当分は無職・無収入になるので、保険料を減額することができないかを相談したいとお願いした。

話はすぐに通じ、大変親切に対応してくれた。最近の役所はとても親切で丁寧だ。

以下の話は、繰り返すが、横浜市の国民健康保険制度での話だ。

国民健康保険料は、基本的には前年の収入で決まる。なので、退職した年(直後)の保険料は、かなり高くなる。世帯単位で保険料は決まるので、配偶者の年収や、扶養家族、子供の数などでも変わってくる。

もちろん計算式はあるのだが、それを細かくここで書く必要はないだろう。

憶えておくべきは、

  • 退職する年の前年の収入が保険料計算のベースなので、退職直後はどうしても保険料は高くなる。
  • 退職の翌年およびそれ以降は、退職後の収入が減れば、その分、保険料は安くなっていく。(退職しても収入があれば安くはならない)
  • 自治体ごとに、保険料を免除(100%、75%など)する制度がある。失業して急に収入がなくなった場合などや、小さい子供のいる世帯に対する減額など。
  • なので、とにかく役所に行って、詳細を調べるべき。相談にいく場合には、世帯の収入状況、家族の生年月日、昨年の所得(給与であれば源泉徴収票など)がわかるもの、などを持っていけばよい。

今日、窓口で聞いたのは、会社都合で退職になった場合(人員整理や倒産など)、保険料が減額される場合があるとのことだった。

具体的には、退職後にハローワークに行って、そこで交付された(失業保険給付手続きにて)雇用保険受給資格者証の離職理由(数字2桁)が、11,12,21,22,23,31,32,33,34の場合が該当する。

例えば、早期退職だとしても、その制度が会社として常に設置されており、完全に本人の意志でその制度を活用して早期退職する場合には、この対象にはならないだろう。失業手当の認定においても、特定受給資格者には判定されないケースだ。

早期退職の場合に、上記離職理由に該当するためには、一般的には、会社の人員整理のために、離職前の1年以内に臨時的に設定された早期退職プログラムであり、その募集期間が3か月以内であること、という条件がつくようだ。要は、会社が人員整理したくて、会社のその意図に従って、早期退職制度に応募して離職する・・という場合がこの減額の対象となる条件のようである。これは失業保険をいくらもらえるかにも掛かってくる話なので重要なのだ。

で、結局保険料はいくらだったかというと、

昨年の年収により、標準報酬月額は、上限を越えている状況。世帯収入は昨年の給与所得のみ。配偶者に子供1名。それで試算すると、

なんと月額77,500円 (年間93万円)

基本的には無収入になったのに、年間で93万円払えとおっしゃいますかぁ!!

昨年月収はもはや限度額を超えているので、ある意味、この世帯状況ではマックス額だろう。

健康保険の保険料は、このように、収入の上限が決められているので、年収10億の人も、基本的にはこの年間93万円とかの保険料上限で済むのだ。ある意味不公平だ。年収10億の人の93万円と、無収入の人の93万円では、重みがまったく違うのだ!

年収の多い人からは、それなりにもっと保険料を徴収し、年収の少ない人の保険料負担を今より軽減すべきだ!それが社会保険ってものじゃないでしょうかぁぁぁl!!!

 

で、保険料減額の相談なのですが、上記のとおり、会社都合による退職の場合(上記離職理由コードに該当する場合)、保険料の減額がある。具体的には、昨年の年収をその30%とみなして保険料を計算するというものだった。

例えば、昨年の年収が1200万円だったら、その30%、すなわち、360万円の年収だったとして、保険料が計算されるのだ。その分、かなり減るはずだ。

自分の場合だが、その結果、保険料は上記の77,500円から、

52,000円に減額されたのだ!!!

ちなみに、横浜市では小さい子供がいると保険料が減額される制度も別にあり、上記の金額はその子供減額分もすでに入った数字だ。

要は、子供減額や、会社都合失業減額を加味し、もっとも減額された結果の保険料が、自分の場合は52,000円ということになる。

まだ高い感じだが、それでも、77,500円にくらべれば随分と助かる。

 

健康保険組合の任意継続と国民健康保険 結局どっちにするの?

上記の区役所訪問調査により、以下の結果となった

会社の健康保険組合を任意継続する:保険料は47,000円

横浜市で国民健康保険に加入する: 保険料は52,000円

その差、5000円の差となった。

さらにこれだけでなく、会社の組合の継続であれば、毎年健康診断を受けたり、保養所を使えたりするメリットもある。

少なくとも、最初の1年は、会社の健康保険組合の任意継続することで決定なのだ!

来年になると、今年1年の収入ベースで国民健康保険料は見直しされる。今年の収入が少ない場合には、かなり保険料は安くなるだろう。その時点でまた会社の健康保険組合の継続と保険料を比較して、場合によっては国民健康保険に切り替える判断をする必要がある。

 

今回の区役所訪問相談により、健康保険の方針については、明確になった。

早期退職同志の皆様も是非、区役所訪問相談、試してみてくださいませ。

 

 

 

     
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