まだテレビがアナログ放送の頃、当時はアメリカに駐在していたのだが、日本のテレビ番組が恋しく、よく現地のビデオレンタル屋で借りてむさぼるように見ていたものだ。
完全に著作権度外視のブラックビジネスだっただろうが、駐在員の世界ではなくてはならない、当たり前のように利用していたビデオレンタルショップだった。
その後、だんだん著作権について世の中が厳しくなってきて(当たり前なのだが・・)、ビデオレンタルもいろいろ制限されてきた。
さらには、地上波がデジタル化、いわゆる地デジになって、それはもう仕組み的に簡単にコピーしてレンタルなどできないようになったのだ。
ダビング10とは何だろう?
地デジ番組をHDDレコーダーに録画すれば、そこでは何度でも再生して楽しめる。普通はこれで十分だ。昔はいろいろできたかもしれないけど、これに慣れれば、これで十分だと思える。
とはいえ、ハードディスクが満杯になってしまったり、バックアップして長期保存しておきたい(自分のライブラリ化)したい人も少なくないだろう。ダビング10では、このように録画したものを、DVDやBDに9回コピーでき、10回目は元のハードディスク内の録画は消去される(ムーブ)されるのが今の決まりだ。
まあ、これが許されれば、普通の生活で困ることはないだろう。HDDレコーダーで録画した地デジ番組をDVDにコピーして、パソコンで見るなどというのはちょっと手間がいるが、できないわけではない。
結局、それ以上の事がしたい人は、違法なのにyoutubeや動画サイトにアップロードして公開したり、制限のない形でのライブラリ化や、その共有をしたい人など、特定の人に限られると思う。アナログ時代にできたことを、今の地デジでも自由にやりたい、そういう我儘な願望がベースなのかも。
退職金生活でテレビを楽しむ
日本の民放やNHKは、ほとんど無料に近いレベルで、様々な種類の質の極めて高い番組を放送しており、これは世界でもトップクラスだと思う。
欧米ではそういう質の高いコンテンツは有料チャネルが一般的だ。最近ではもちろん、インターネットの有料動画サイトも多くなってきた。ただし、これらは毎月1000円もしくはそれ以上の料金を払い続けなければならない。退職金節約生活的には、こういう固定費は避けたいところだ。
特に日本では、TVを持っていればほぼ無条件に毎月1260円(地上契約)、2230円(衛星契約)などの受信料がとられる。これはこれでいかがなものかと思う。退職金節約生活的には、NHK視聴をあきらめるから、この受信料を払わない事を選択できる道を与えて欲しいのだ。
もはやいっそのこと、TVを買わないというのもありかなとは思う。
とはいえ、TVを見て楽しむ事は、コストがあまりかからない娯楽の一つである。好きなドラマや音楽番組を好きな時に見れるように、ライブラリ化しておくことは大事かもしれない。
前述のとおり、ダビング10の規制の範囲内でライブラリ化すれば十分ではあるが、それではつまらないので、もっと自由に個人ライブリ化できる道具を試したみたので、ご報告したい。
TS抜きとは?
前述のダビング10などのコピープロテクトが掛かっていない状態で、パソコンに動画として保存してしまうことです。要は、昔のアナログ放送のように、コピーであろうと、アップロードであろうと、なんでもできてしまいます。
パソコンで録画したファイルを自分のHDDに保存して、それを寝室のタブレットで再生して寝落ちする生活も簡単にできます。ずっと保存したい番組は、いくつもバックアップをとって安心することができます。
要は、専用録画機でガチガチに管理された世界から、パソコンの世界に移行できることで、できることが、利便性が圧倒的に高まるのだ。もちろんそれを公開アップロードするような違法行為をやらない個人利用の範囲内での話だが。
もともとコピープロテクトのかかったコンテンツのプロテクを外すわけではないので、違法とは言えないという解釈もあるようですが、かなりグレーゾーンでしょう。
著作権保護団体からは常に目の敵にされてきたパソコンですが(なんでもできてしまうので、手に負えない)、いずれすぐに規制もかかるのではないでしょうか。
個人的、かつ技術的興味から、今回グレーゾーンのうちに、実験してみたという訳です。
まずチューナーを入手する
TS抜き録画を行うためには、それを可能にする特殊なチューナーを入手する必要があります。日本でも売られている製品ですので、今のところ違法な製品ということではないでしょう。
今回、私は、価格的にとても安く買える、PLEXのPX-W3U4を購入しました。
パッケージはこんな感じ。
地デジが2チューナ(2番組が同時録画可能)ある。
設置は簡単で、B-CASカードを差し、付属のACアダプタや、USBケーブル、地デジのアンテナ線を接続するだけだ。操作用のリモコンも付属している。
実験のために、元々使用していたB-CASカードを一時拝借してこちらの装置に挿入してある。これは本当はB-CASカードの利用規約に違反するので、やってはいけないのだ。(今回は実験ということでご勘弁を)
この装置には、B-CASカードは付属していない。TS抜きできる装置など、要件を満たさないので、B-CASカードを付属できないのは当たり前だろう。
ちなみに、B-CASカードは再発行を申請できる。このページからネットで手続きすると、本当に数日であっという間に入手できる。着払いで2000円程度だったはず。もちろん、紛失や盗難のあった場合に再発行することができる。TS抜きのチューナーのために再発行申請するなんて、やってはいけないことだ。
機器の設置は簡単だが、ちょっと大変なのはドライバーやソフトの設定である。
PX-W3U4を設定する方法
まず、自分の試した環境であるが、
パソコンは自作パソコン。詳細は省略するが、普通のパソコンだ。Windows 10 (64bit)の最新版にアップデートされている。
特に特殊な環境や設定にはしていないが、すでに、パソコンには普通のテレビチューナーがインストールされ、パソコンの画面上で視聴したり、通常のコピープロテクト条件で録画できるようになっている。ちなみに、そのチューナーはこれだ。
ドライバの競合などが心配だが、今回はその点では問題なかった。
さて、長くなってしまうので、ドライバ・ソフトのインストール設定は次記事で書くことにしよう。(続く)
続きはこちらになります。
前の記事で、永遠の自己ライブラリ作成のための、PX-W3U4の設置までを記事にした。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://ryo-japan.jp/retirement/archives/416/][…]