これまで年金のことなど、まったく考えたこともなかったし、興味もなかった。定年退職などまだずいぶん先のことだし、そもそも年金の支給は65歳の遠い未来(とはいえ8年先でしかないが)の事だと感じていたからだ。
この記事では、退職後の国民年金の支払いが免除になる方法について書きたいと思います。
サラリーマンの年金ってなに?
こんなことも知らなかったのか・・・と思われて恥ずかしいが、
サラリーマンは、年金の支払いが給与から天引きされるので、あまり年金について実感することはないのかもしれない。
年金とは、退職後などに、一定のお金を毎年(何回にわけて)もらえる仕組みである。そのために、現役時代は保険料としてお金を収めているのだ。
サラリーマンが関わる年金にも種類がある。
- 国民年金
- 厚生年金
- 企業年金
- 個人年金
などだろうか。職業が違えばもっと他の種類の年金もあるであろう。ここでは省略させてもらう。
個人年金はたとえば、生命保険会社の養老保険のようなものだ。下の記事で書いた。
57歳 サラリーマンが突然早期退職、アーリーリタイヤを考えた。それはこの記事から始まったのだ。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://ryo-japan.jp/retirement/archives/[…]
企業年金は、一般的には退職金の一部を年金としてもらうような形態だ。これは会社によっても様々な形があるはずだ。自分の場合は、退職金の一部を決めて、それを60歳からの年金として20年固定または終身で受け取ることができる。
早期退職後 厚生年金はどうなるの?払い続けるの?
国民年金と厚生年金は、給料から毎月天引きされ保険料が払われてきた。いわゆる公的年金であり、企業年金や個人年金とはレベルが違う。
厚生年金はあくまでもサラリーマンであるから積み立てられる年金であり、早期退職して他の会社のサラリーマンに再就職しない限りはこれ以上払い続けることはできない。退職後も継続することはできないのだ。通常は60歳まで保険料を払い続け、65歳から年金支給となる。
早期退職の場合は、60歳まで保険料を払えなくなるので(再就職すればまた新しい会社で厚生年金に入ることは可能)、多少年金額が減額されるが、今後保険料を払うことなく、65歳から年金支給となる。
早期退職で減額される厚生年金はいくら?
57歳で早期退職したら、どのくらい厚生年金は減額になるのだろうか。
ねんきん定期便は大事な情報なのでちゃんと確認・保管しておきたい。
そこに記載されてい「標準報酬月額」を62万円としよう。
これに1000分の7.125をかけると、約4400円。これに早期退職から定年60歳までの月数(約3年として36か月)を掛けると、158400円になる。これが年間の減少額になる。結構な減額であるが、仕方ない・・・保険料を収めないのだから。
厚生年金は終身なので、この減額は長生きすればするほど、影響が大きいことになる。減額についてはねんきんネットで調べられるようなので、これはまた詳細に別記事で書きたい。
国民年金は払い続けるの?
国民年金はどうだろうか。国民年金は20歳から60歳までの日本に住む人は、みな加入して保険料を納めなければならない。収めた保険料に応じて、65歳から年金が支給される。
保険料は、毎月16,340円。まとめて払うと割り引があるので、どうせ払うなら、現金があればまとめて払うのが得だ。ペイペイで払って20%還元というのはまだ不可能だ(笑)
なので、自分の場合、早期退職しても、60歳までの約3年間は、国民年金は支払い続けなければならない。さらに妻の分もずっと払い続ける必要がある。妻はまだ37歳なので(フィリピン的事情により)、残り23年もある。さらに至急開始まで28年もある。自分が生きているうちには、妻が年金を日本でもらえることはなさそうだ・・・
妻と結婚してまだ7年なので、妻が国民年金の保険料を第三号被保険者として(サラリーマンの妻として)払っているのは7年間だけだ。最低でもあと3年は払わないと年金受給資格をもらえない(10年以上保険料を払うのが受給条件だ)
10年でも長いと思うが、以前は25年だったというのは驚きだ。
なけなしの退職金からあと23年間も妻の国民年金を払い続けるのはちょっと抵抗がある。保険料総額で16340×12か月x 23年=450万円だ。これは大きい。もちろん、その分は年金として65歳以降に受給できるのだが、自分がすでに死んでいる環境で、手続きをして(その時はフィリピンに帰っているかもしれない)、年金をちゃんと受け取るかどうかはわからない。さらには、フィリピン人の平均寿命は日本人よりかなり短く、正直、65歳まで生きているかどうかも不明だ。嫌な話だが。
あと23年間とはいわずに、最低受給資格のもらえる10年(あと3年)までは支払いを続けて、受給資格は確保するまで支払うという考え方もある。
しかし、国民年金に加入し60歳まで保険料を支払うのは義務だ。果たしてそんな保険料を払わないということが(合法的に)可能なのだろうか?
国民保険の保険料免除制度とは?
収入の減少や失業などにより保険料を経済的に収めるのが難しい場合に、保険料免除制度、納付猶予制度があるようだ。
勝手に払わないのではなく、免除や猶予の申請をすればよいということだ。
その支払いは免除・猶予された期間も、ちゃんと受給資格期間に算出される。すなわち60歳まであと3年も支払ったという期間として扱われ、さらにその免除期間も、保険料をちゃんとおさめていた場合の半分として年金支給額算出に考慮される。
自分の場合、あと3年だし、免除してもあまり年金支給額への影響はないかなと思うし、妻の場合は、10年資格だけ入手するだけなので、支給額はあまりこだわりないし。
ただし条件が厳しい。
保険料免除の条件は、
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が免除になります。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。
とのこと。
全額免除となるのは、以下の場合とある(前年の収入が低いという理由の場合)
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
自分の場合、扶養家族は2名いるので、3 x 35万円+22万円=127万円以内の収入であれば全額免除となる。基本今後は収入ゼロなので、大丈夫だ。
今年はとにかく3か月分の給料をもらうので、無理だ。全額免除の申請ができるのは再来年(2021年の6月以降)ということになる。これではもう60歳も間際で意味がない。来年の6月以降に半額免除や1/4免除などの申請が可能かどうかを確認する必要がある。いずれにしても、今年の源泉徴収がわからないと判断できない。
さて、失業の条件の方だが、失業などによる特例免除という制度がある。
雇用保険受給者資格証または雇用保険被保険者離職票等の写し(要は失業したという証明書)が必要。この申請でいくら(全額また一部?)免除されるのは明記されていない。
保険料猶予制度とは?
保険料猶予制度の方は、
20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が猶予されます。
とのことだ。自分は年齢的にはこれには該当しない。妻はこれで私が無収入になれば、猶予申請が可能ということか(やはり10年資格までの3年はちゃんと保険料を払って、それ以降は猶予制度で払わないということも可能かな)。
ただし猶予の条件の一定額とは上記の127万円と同じなので、私が年金をもらうようになると条件を満たさなくなる(60歳からの企業年金や個人年金の受給が始まると、これを超えてしまう)。年金が多いと安心だが、その分支出も大きくなる。なんか複雑だ。もらった年金をつかって妻の国民年金を払うというのもなんだかなぁ・・・・
ということで、免除・猶予の制度の大枠は理解することができた。これらの申請は毎年度する必要がある。結構面倒だ。
しかし、いずれにしても、今年の収入が確定したら、一度、年金窓口に相談し、いくらかでも免除・申請が可能かの相談をしてみることにしよう。
まあ、私の方はとにかく60歳まで時間があまりないので、たいした節約にはなりそうもない。妻の方も私の年金収入が生まれると所得条件を満たさず猶予できそうもない。
調べた結果、うちの場合は、この免除・猶予は活用できそうもないようだ。窓口相談に行ったら、また結果をここでご報告します。
なお、国民年金の支払いは国民の義務であり、決して免除や猶予を推奨する目的で書いたものではありません。みなさん、頑張って保険料を払っていきましょう!!