くそ暑い。
フィリピンは夏真っ盛りである。マニラ都市部では、37度とかまで気温が上がる毎日なのだ。さすが、南国の夏である。
日本の夏ほどまでのジメジメ感はないが、それでも、湿度は50-60%まであり、カルフォルニア西海岸のカラっとした夏ではない。
今年は、花粉症はスキップできたが、いち早い夏バテに見舞われている今日この頃である。
フィリピンを駆け抜けたニュース
昨日(土曜日)の夕方、メディア上で政府からのアナウンスが突然おこなわれた。もちろん、コロナ対策に関するものである。
フィリピンでは、コロナ感染対策のレベルを程度に応じて4段階に分けている。日本的には、フェーズXという感じだ。昨晩の発表で、最も厳しい制限が課せられるレベルを明日の月曜日から適用されることがアナウンスされたのである。いわゆる、ロックダウンの再開である。
昨日の新規感染者数は9000名近くとなり、これまでの最高記録となった。また、都市部の病院の空き病床数も限界に来ているとのこと。
さらに、来週の木曜日からは、いわゆるイースターの連休が始まり、通常であれば帰省や旅行など、民族大移動の連休に突入するタイミングであった。
明日から、この連休の終了する4/4までを対象に、完全ロックダウンが宣言されたのである。連休の人の動きを完全に封印し、感染拡大を抑止するのが目的なのは明確である。
約1年前、フィリピンではやはり感染者が急増し、初めて、全国一律でのロックダウンが開始された。この時は、交通機関などを含めて、完全に社会の動きを停止させる内容であったことや、一般市民にとって初めてのロックダウンの経験であったこともあり、大パニックになった。人は買い出しのために何時間も待つ行列を作り、世の中がどうなってしまうのかの不安を膨らませた。結果的には、このロックダウンは、半年近くに渡って、その後継続されることになり、世界でも類をみない、長期ロックダウンとなったのである。
結局今年も、同じタイミングで感染者が急増し、同じタイミングでロックダウンをするのかと、まったく進展のない状況に、政府機関に対する非難が高まっている。と、同時に、国民ももはやマヒしており、はいはい、ロックダウンね・・・と、あまり緊張感を高めておらず、昨年のようなパニック状態にもまったくなっていない。
上の写真は、今日(日曜日。すなわちロックダウン開始の前日)のスーパーの様子である。ショッピングモールに入っているスーパーに入るのに、写真のようにその手間のモールの部分にまで行列ができている様子である。しかし、みな冷静に、順番を待っており、実際、それほど待つことなく、15分ほどで入店できた。
パニックになった暴徒が、店におしかけ、警察と銃撃戦になることを期待していたが、街中はいたって冷静かつ平常であった。
というのも、これには理由がある・・・
実際には、ソフトロックダウン
今回も、レベル的には最も厳しい規制レベルなのであるが、その内容は、昨年の完全ロックダウンとは異なり、少し規制が緩められた内容になっているのである。政府としても、経済の回復を考慮し、完全なる活動停止、移動停止にはしなかったのであろう。
具体的には、
- 公共交通機関は稼働させる(前回は完全停止)
- 一部の業種は活動可能(前回は完全休業)
- 用事のない人は外出不可(前回は、基本全員自宅待機)
- ロックダウン対象は全国ではなく、マニラ近郊地域のみ
と、内容が緩くなっており、一番厳しい内容は、
- 夕方6時から朝5時まで、外出禁止
- 18歳未満、65歳以上は、終日外出禁止
ぐらいである。もちろん、マニラ都市部近辺からの流出、流入はダメなので、帰省などはまったくできない。
このような内容であったために、一般市民も、あまりパニックになることもなく、今のところ平静に生活を継続している。
しかし、数日で施策が変更されるフィリピンのこと。規制がさらに強化されたり、期間が延長されたりすると、またマニラ近辺の生活は灯を消してしまうかもしれない・・
いつ日本に帰れるのか・・・・
自分にとって一番影響の大きいのは、このロックダウンとその前の規制強化で、2度にわたり、移民局での手続きがキャンセル(延期)されてしまったことだ。
明日の月曜日にアポがとれていた手続きも、このロックダウンの開始によりキャンセルされた。次にいつアポがとれるのかは定かではない。
本来であれば、4月の中旬にはビザが入手でき、その後帰国の予定であったが、現時点ではいつビザが入手できるのかまったく不明である。フィリピンの役所のことなので、大幅に発行が遅れるのではないかと危惧しているのだ。
下手すると、5月の中旬とか、一カ月近く遅れるのではないか。問題は、パスポートをとられているので、もはや帰りたくても帰れないのである。もう、腹をくくって、ビザの入手と待ち続けるしかないのである。
しかし、よく考えたら、日本に仕事があるわけではなく、待つ人がいるわけでもなく、用事が終わるまで、フィリピンに居たいだけ居れば良いだけなのであった・・・
大変な状況になってきたが、自宅から見えるフィリピン湾に沈む夕日は美しい。この町が、一日も早く、以前に活気と賑わいを取り戻せますように・・・