【海外移住】コロナ禍の中フィリピンに行ってみた(4)最終回

さて、このフィリピン訪問連載も最終回となった。

約1年ぶりとなった今回の訪問だが、コロナの影響を大きく受けて社会が変革していたのは、フィリピンも同様であった。

写真のように、自転車が爆発的に増えており、これは、強制緊急事態宣言の際に、一切の公共交通機関が停止したことによる影響が継続しているのだ。

フィリピンの交通機関で特徴的なのは、いわゆるジープとトライスクルである。

これはトライスクルであるが、1-2名が激安に近場に移動できる庶民の足である。ジープは、10名程度で乗り合う小型バスのようなもので、これも生活にはなくてはならない交通機関である。

ジープなどは、密閉空間に大勢が乗るので、恐ろしい程の密状況が発生する。当然、全面禁止としないと、これだけでフィリピンは壊滅することだろう。

このような庶民の生活に根差した交通機関が全面停止になったので、皆は仕方なく、自分で自転車を漕いで移動するという手段に転じたのである。すでに緊急事態は解除されており、数はまだ少ないが(利用者が少ないので)、トライスクルもジープも利用可能にはなったものの、そのまま自転車移動を継続している人も多いようで(なんせ無料だし)、街中に異様なほど自転車が増えたのである。

フィリピンの交通渋滞は有名で、その原因は、トライスクルやジープなどの道路を我が物顔で専有する車両が交通の流れを妨げていることだが、今回のことで、さらに自転車という交通混乱をまねく要因が道路上に増えてしまい、これは間違いなく、またフィリピンの交通事情を混沌とさせることになるであろう。自家用車、トラック、タクシー、バス、ジープ、トライスクル、自転車によるカオスとなろう。

そして、一人、帰国の途についたのである。

妻はまた年末までフィリピンで仕事である。なんとか、年内には、事務所部分だけでも完成させることが目的である。

帰りのフィリピン航空便の搭乗者は10人ちょっとであろうか。これで、飛行機1台を飛ばす航空会社も可哀そうである。まっぴら赤字であろう。

利用者にとっては、値段も普段と変わらないし、搭乗も待ちがないし、周囲の座席に誰もいないしで、かなり快適なわけである。しかし、こんな状態がもう少しでも継続すると、本当に世界中の航空会社が破綻してしまうであろう。なんとか生き残ったとしても、とてつもない後遺症を残すことは間違いない。本当に、神様が人類全体に与えた罰のようにしか思えなくなってくる。

羽田空港で入国する方法

実際の飛行時間は3時間半であった。本当にフィリピンは近い。

朝起きて、フィリピンの自宅で妻と別れを惜しんだのが嘘のようだ。お昼過ぎにはもう日本でぶらぶらしているのだから。

羽田に到着すると、まずは抗原検査である。

飛行機を降りると、これでもかと言う程、歩かされる。蜜を避けるためか、ターミナル内に検査場所が点在しており、そこを徒歩で移動しながら検査を進める手順である。

書いた書類のチェックを受ける場所に到着すると、今度はまたしばらく歩いて、唾液を採取する場所に行き、歩いてまた問診を受ける場所に行き、そして下の写真の、結果を待つ場所にやっとたどり着くのである。

もっと本格的に入国者が増えたら、この長距離徒歩システムは恐ろしく不評を買うに違いなのである。

結果を待つ時間は2時間と言われているが(公式には)、空いていたからか、30分ほどですぐに結果がわかった。もちろん陰性である。

抗原検査は、PCR検査とはまた異なる手段で、感染の有無をチェックできるのだが、PCR検査よりは精度が落ちるようだ。しかし、フィリピン入国時に経験した、あの鼻の奥に綿棒をぐりぐりされる苦痛に比べると、唾液採取だけで済む羽田検査は、本当にありがたい。

前にも書いたように、この検査で陰性であっても、公共の交通機関(電車・バス・タクシーなど)は使えないことになっている。自分も、知人に自家用車で迎えに来てもらって自宅に戻ったわけだ。

まあ、厳密に言えば、検査の結果も100%ではないわけで、念のために14日間の待機や公共交通機関の利用禁止とするのは分からないいわけでもないが、日本の役所的な、責任を取りたくないための、超安全サイドに振った施策だと感じる。帰国する側の人間から言えばこうなのだが、あの近くで普通に生活している人からすれば、海外から来た保菌者に電車で近くに座ってもらいたくないという気持ちもわからないではないし。難しいところである。

なんにしても、羽田ではまあスムーズに、入国を完了できたのである。

 

こうなるともう本当に、希望はワクチンと特効薬の普及しかないような気がする。正直、この状況の中で、海外に行って帰ってきて、コロナに感染しなかったのは、たまたま、会った周囲の人間に感染者がいなかったからだろう。マスクやフェースシールドはしていても、それは多少感染リスクを下げるに過ぎない。

現地では多くのGrab(ネットで呼べる個人ベースのタクシー)にも乗ったし、外食もした。見知らぬ場所で見知らぬ人と多くの会話もしたし、もし、その中に感染者がいたら、完璧な感染防止は無理であろう。目や鼻や口に入るものにウィルスが居ない事を、完全に防止することは不可能であろう。感染することを前提にして生活する覚悟しかないのである。そのリスクを下げるのがワクチンであり、感染しても死なないで済むという安心感も必須なのである。

今こそ、人類の英知を絞って、この神からの試練に立ち向かうしかない。頼むぞ、人類の優秀な部類の人!

     
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