再びフィリピン (3) 検疫

現在、フィリピンも厳しいコロナ対策を実施中である。

まず、通常の外国人旅行者は一切入国することができないのは当然であり、入国できるのは、フィリピン国籍者の家族(夫、妻、子供の親など)、永住権を持つ人などに限られる。

入国できたとしても、入国後2週間の隔離が必須となる。日本のように、有名無実な隔離要請とかではなく、従わなければ罰則のある命令である。

入国後に指定のホテルに隔離され、部屋から一歩も出ることはできない。滞在5日目に、上の写真のように、ホテルに検疫官が来て、自室の中でPCR検査を行う。これがかなり鼻の奥まで綿棒をつっこむ方式であり、かつそれを2回やって、2つのサンプルを採取するので、結構つらい検査なのである。

防護服をしっかり着込んで、隔離部屋まで来ての検査に、なんか本当に異様な世界になってしまったと実感するのである。この記事を書いている現時点では、ここまでだ。

検査の24時間後に、検査結果が陰性と通知されれば、めでたくホテル隔離からは解放され、その後自分の目的地に向かうことができる。目的地の役所の定めた方法で、引き続き2週間の隔離は継続されるのである。

自分の場合は、ホテルからすぐ近くにある、自分のマンションに行き、そこで一応は隔離が継続されるが、実質的には、ほぼ行動制限はなくなることになる。厳密には、自宅内にとどまる必要があるのだが。

外出禁止令などのロックダウンまでは実施されていないので、昨年の状態に比べればまだましなのであろう。

街中の様子などはまた別の記事で記録していきたい。

日本ではそろそろ特定の層に対するワクチン接種が始まるようだ。結局、日本という国は、自らワクチンを開発することもできないのかと、昨今の国力の衰退をひしひしと感じさせる。80年代、90年代であれば、莫大なお金を払ってでも、欧米諸国と同時期にワクチン接種を開始できたかもしれない。しかしもはや、その経済力も影響力もないことは、このような状況を見ることで、我々庶民も実感することができる。それほど格差のないと感じていた欧米諸国が、大規模な接種会場で多くの国民にワクチン接種している様子を、指をくわえてテレビのニュースで見ているのが関の山なのだ。国民の生命、健康、財産、自由を守れない国に暮らすことは、本当に怖いことであると実感する。今回の事は、本来、そのような有様を考える良い機会であったはずなのだが、相変わらずマスコミはスキャンダラスなことばかり取り上げるばかりだし、揚げ足取りの議論に終始する政治の世界にも失望するばかりである。

有事の際に本当に自らの生命、家族の生命をどう守るのか、守る力をどう持つのか。世界では環境問題に対して、多くの若者が危機感を持って行動しているように、日本でも20代、30代の若者が未来への危機感を語り、そういう事にこそマスコミが目を向け、国民の関心を高める動きをしてもらいたいものだ。そして、これまでとは全くことなる価値観を持つ世代によって、国を変えていくそういう時代が始まることを、是非生きている間に見てみたいと、めちゃめちゃ暇な監禁中に考えてみるわけである。頑張れ日本!

     
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