フィリピン通信 ロックダウン解除とフィリピンスタイル

2021年4月12日、フィリピンでは完全ロックダウン(ECQ)が解除され、その一つ下の規制であるMECQに移行した。

下の記事に書いたように、感染者数の急増で、フィリピンでは3月29日から、最も厳しいロックダウンが開始され、結局4/11までの2週間続けられることになった。

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写真は、今回のロックダウン中のショッピングモール内の様子である。このように、ほとんどの店が閉められており、ゴーストタウンのように人もまばらである。唯一開店しているのは、スーパーマーケットやドラッグストア、テイクアウトのみの飲食店である。

道路は空いており、夜6時から夜間外出が禁止されていた。違反者は基本的に逮捕である。

さすがに、この2週間のロックダウンはストレスが溜まった。せっかくフィリピンに滞在しているのに、何も進まないのである。何もできないのである。基本的には、食料品の買い物以外、ほとんど自宅で過ごすことになった。マンションのプールも閉鎖されており、ろくに運動もできない・・・。

さすがにストレスが溜まったので、先日、こっそり日本食レストランでおいしい刺身を食べてきた。まあ、融通の利くお店もいろいろあるということだ。

鉄火丼ランチで約1000円だっただろうか。

さすがに、街中のスーパーで刺身を買えるところはなく(その他の日本食材などは、モール内の大きなスーパーなどでは結構売っていたりするのだが)、どうしても刺身・寿司系は、外食するしかない。ロックダウン中はテイクアウトしか許されていないので、いわゆる日本食レストランに行って刺身を食うということがまったくできなくなるのである。

まったく臭みもない、美味しい赤身と、ぱさつかない寿司飯がこの値段で食べられ、大変満足度が高いのである。まともな日本食が、フィリピンでは日本の値段程度で食べられることに感謝しなければならない。

ロックダウン中でも、ある程度このような融通(というか違反行為だが)が利くのも、フィリピンスタイルと言えるかもしれない。

ただ、このような“ズル”や違反を通報・告げ口する人はフィリピンにも多い。というか、日本より多いのではないだろうか。人がズルしてうまいこと稼いでるなどという事に対して敏感であり嫉妬心を抱くのがフィリピンスタイルである。たいていの悪事は、密告でばれるという事に注意していかなければならない。

フィリピンスタイルでロックダウン解除

本日、4/12からロックダウン(ECQ)解除となったわけでが、引き続き、上から2番目の規制(MECQ)が月末まで継続されるのだ。

その規制レベルの変更の発表が昨日、4/11日曜日に大統領府からあったわけだが、そこで全国民に通知された内容は、明日からMECQに移行するという事だけで、具体的にどういう項目が緩和されたのか、許されるようになったのかなど、詳細な内容は一切、説明されていない(決められていない)のである。

このような具体的な内容が決められていない状態でも、とにかくMECQに移行するよと、発表してしまい、具体的な内容はその後、MECQに移行した後にだんだんと協議され決定され公表されていくというのが、まさにフィリピンスタイルなのである。

日本では考えられないことだ。日本でこんなアナウンスをしたら、具体的に何が変わるのか?などと袋叩きになるであろう。

フィリピンでは、何も決まっていない・知らされていない状況でも、今日、月曜日からとにかくMECQが開始され、人々は戸惑いながらも自分なりに行動を開始する。そして、日々発表される個別の情報を待つのである。それに対して、それほどメディアが厳しく批判するような様子もないのだ。またいつもの事か・・・という感じだ。

このように、もはやECQ, MECQなどの規制レベルは名ばかりのものであり、刻々と変わる規制内容に、人々は戸惑い疲弊し麻痺してしまっている。結局、この2週間のロックダウンでも、感染者数は減ることもなく、空き病床数も増えていない。まったく何も効果が出ていないのだ。

この規制の強化・緩和を繰り返しながら、ワクチン効果を待つしかないというのが、フィリピンの現状である。まあ、これは日本も同じであろうが。

とにかく、心理的にもロックダウン(ECQ)が解除されたことはありがたい。また近くロックダウンになるであろうが、それまでに、たらふく日本食を食べておきたい。自分も、フィリピンでの活動、再開である!

     
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