いよいよ帰国である。3ヵ月ぶりとなった。
最後のフィリピンの夜は、一番の大好物であり、日本で恋しくなる味No.1である、ジョリービー祭りである。
代表的な、ジョリーホットドッグ、ジョリーチキン、ジョリースパゲティ、ジョリーハンバーグをすべてオーダーして、しばしのお別れを偲んだのである。やはりおいしい!
フィリピンでは国民食とか、フィリピン定食とか言われているほど、ありとあらゆる場所に展開されているジョリービーだが、日本にはまだ進出できていない。他のアジア諸国やヨーロッパ、北米への展開は進めているのだが、日本はどうもハードルが高いようである。マクド、ロッテリア、モスバーガーなど競合がひしめいているということもあるだろうが、日本の独特の市場閉鎖性や、味に対する保守性や、潔癖性なども、展開を躊躇する理由ではないかと勝手に想像している。日本におけるフィリピンに対するイメージも影響しているかもしれない。
そんな話はどうでもよい。
出発当日、朝6時に起きて、Uberで空港に移動。資料は十分に注意して準備したので、すんなりチェックイン完了。待つこともほとんどなく、すんなり搭乗を完了した。
日本までは4時間のフライト。この距離の近さは、なんども言うが、フィリピン移住のメリットである。なにかあったときに、すぐに日本に戻れるのは安心だ。病気などの時もそうだ。発作的なものはどうにもならないが、かなり体調が悪いなどと言う時は、日本に戻って、日本の病院で健康保険を使って検査できるのは大きなメリット、安心となる。
今回はcebu Pacific便で成田空港到着となった。到着は午後3時。ここから、隔離が始まるのだ。
日本入国 検疫・隔離の実態
フィリピンは危険国指定であり、全員が3日間、政府指定による施設で強制隔離される。施設とは、空港近くの借り上げホテルで、今回は東横INNであった。
到着後すぐに、空港内を連れまわされ、各種の手続きが始まる。水際対策強化によって、以前よりもさらに厳しく、手続きも煩雑になっている。
現地での陰性証明書、誓約書、健康申告書など、多くの書類に記載させられ、それをひとつづつ、係員が細かく確認していく。また、追跡アプリなど、3つのスマホアプリをインストールする必要があり、その確認も、係員がひとつづつ行うのだ。
乗客の中には、そういう事に疎い人も多くいて、すべて手取り足取りサポートしなければならず、大変な時間がかかる。
PCRテストももちろん受けるが、唾の検査なので簡単だ。結果がでるまで1時間程度かかる。出国直前にテストし、入国直後にテストし、3日後にまたテストする。テストしすぎ・・・・・意味があるのか?
これらの手続きは、すべて厳しい監視と誘導員の下で行われる。かなり厳格に行われる。逃げることはもちろんできない。また、同じフライトの乗客を1グループとして、グループ単位で作業を行うので、グループ全員が一つのステップを完了しないと、次に進めないのである。
前述のようなITに疎い人がいると、その人待ちで、すごい長時間の待ちを強いられることになる。このあたりから、かなりイライラし始めたのである。
係員も不慣れで段取りが悪い。なぜか外国人の人が多い。どういうことか?
すべての手続きが終わると、グループ全員で専用のバスにのって、ホテルに連行されるのである。
指定ホテルでの隔離生活
ホテル到着すると、また多くの係員がいて、受付処理や注意事項の説明を受ける。その後、各自の部屋に連れていかれる。
夫婦二人や家族で一部屋に入ることは可能である。案内された部屋はとても広く、非常に快適である。これは大変ありがたい。無料だし。
この部屋から、隔離中は外に出ることはできない。まあ、出ても注意されるぐらいであろうが。食事は3食、決まった時間に部屋の外に置かれて、それを取って食べる。まるで刑務所である。
到着当日の夕食弁当はこれだった。まあ、ぎりぎり量は足りる感じだ。若い人では、物足りないであろう。メニューは1種類で選ぶことはできない。
翌朝も、翌昼食も、お肉だったりはするが、基本的にこのようなご飯のお弁当である。
最大の問題は、お弁当が冷え冷えなことだ。部屋に電子レンジもないので、冷たい食事しか取れない。これはかなり残念である。毎食冷たいものだと、かなりストレスを感じる。これも無料なので、あまり文句は言えないが・・・・
隔離ホテルから見える景色だ。空港のすぐそばである。何もないところだ。Uner Eatsで出前を頼もうとしたが、配達可能な店が近くにみつからなかった。
飲酒禁止!?
昨晩、ホテルに入る時に、隔離中のアルコールは禁止との説明を受けた。これには、疑問を感じ、翌日、厚生労働省本庁の業務管理課に電話して確認した。これは強制なのか、どのような理由または法的根拠で強制しているのか、強制は本庁からの指示なのか?
まったくうやむやな回答しか返ってこないことに、役所の本性を見たが、こちらは死ぬほど暇なので、徹底的に追及してやった。結局、
厚生労働省本庁として、そのような禁止指示をしていることではない。各隔離施設に厚生労働省の職員が派遣されており、「現場運用」として、そういうルールを設定している。という、見事に責任回避する答弁であった。行政本庁として、アルコール禁止という強制指示はしていない、という事は明確になった。
で、すぐさま、ホテルのフロントに電話して、詰めている厚生労働省職員と話をしたいと探してもらった。暇だから仕方ない。
どうして、そのような、個人行動を強制的に制限するルールを勝手に設定するのか説明を求めたところ、これもまともに理由を説明できない。3日後に行う検査に影響があるからと言うので、じゃ、PCR検査を他のケースで受ける場合、3日前から禁酒が必要なのか、科学的根拠はあるのかと詰めると、いやそうではなくて、日々の健康報告(体温・体調)に影響があるといけないので、禁止していると説明が変わる。その程度のために、飲酒する行動を強制的に禁止しているのか、それはどういう法的根拠があるのかと聞くと、お願いをしているのだと言う。その健康管理は自己責任であるという。
結局、説明できるロジックや根拠や理由なく、「まあ、アルコール飲酒はやめさせましょうよ・・・」、「そうですよねぇ、監禁されている人たちなんですから・・・(笑)」、「そうそう、酒なんか飲める立場ではないでしょう・・一同爆笑」などと、アホな会話の中で、アルコール禁止というルールができてしまったとしか思えないのである。
酒が飲みたいアル中の遠吠えなのではない。このような状況の中で、本来は制限される必要がない、また制限される論理的な理由、法的な根拠が存在しない、基本的な権利が現場の判断で勝手に制限され、それが強制されるルールがごとく説明・表記され、人々の行動を必要以上に制限している実態を国民は看過してはならないのである。
コロナ収束のためには、決められたルールには従うのは当然である。しかし、それに乗じて、必要のない事にも、第三者や国家権力が勝手に制限をかけるような事が起きては絶対にいけないのである。
ちなみに、ここのルールの中には、例えば家族から宅急便で隔離者に荷物を送った場合、そこに、アルコールや危険物が含まれているといけないので、中身を検閲し、場合によってはそれを隔離者に渡さない、というルールまである。どうしても、隔離中にアルコールを飲ませたくないようだ。
隔離中だし、たかだか3日なのだから、我慢できるだろう。
その通りだ。我慢できる。しかし、その我慢を理由と根拠なく、勝手に強制されることを許してはならないのである。
話が少し大げさになってしまったが、我々は密入国者ではない。不法滞在者でもない。ルールに則り、必要なすべての手続きを完了させて入国したのだ。普通の一般の人より、直近で何度も陰性確認をしており、よっぽど感染者であるリスクは低い。日本に来る外国人に対して、不条理なレベルの扱いや、不当な行動制限を強制し、日本とはそういうことが理由もなく平気でできる国なんだと思ってほしくないのである。
出所まであと2日。