早期退職 新たな人との出会い まさに第二の人生

2019年3月末に早期退職して早7ヵ月。

その間に、多くの新たな出会いがあった。

今日はその中から一つの印象的な出会いについて記事にしたいのである。

 

会社員時代にも、もちろん多くの方との出会いがあった。その方の中には、退職後の今でも、仲良くしてもらったり、助けて頂いている方もいる。本当にありがたいことである。

現役時代にも新たな出会いはあったが、その大半は仕事関係によるものであり、同じ会社、仕事上関係のある会社の方などになる。プライベートでは、決まりきった生活パターンの連続の中で、新たな人との出会いというのはどんどん少なくなってきた気がする。例えば、自ら趣味の世界を広げてダンス教室などに通い始めたりすれば、新たな出会いも生んだと思うが、退職前にそういうエネルギーは自分にはなかった。結局は自分自身の志の問題なのである。

 

そして退職後も、幸いなことに多くの方との出会いを持つことができた。

その中でも、特に、早期退職したからこそ出会えたある一人の方の事をお話したい。

少し前に、このブログの連絡先にメールを頂いた。ある新聞社の記者の方であった。色々な人の人生模様を連載で記事にしているのだが、今回は早期退職に関わる人の人生について取材をして記事にしたいので、取材させて欲しいということであった。

 

 

マスコミは大嫌いだったのだが・・・

このブログの記事や兄弟ブログの記事でも何度か書いているが、筆者は、日本のマスコミが大嫌いである。報道姿勢や内容について、批判的な発言も小さいこのブログ内ではあるが、思うままに書いてきた。

一番嫌悪しているのが、大半の時間を事件・事故・話題性のある出来事の繰り返し報道に浪費し、マスコミの使命である、権力者・組織に対する牽制や、社会の本質的な課題に対する問題提起を忘れ、弱者を守るどころか話題になればだれでも叩く正義感の欠如、本当にそれを知らしめる必要があるかどうかを判断する自己抑制のなさ、同じ内容を複数の局で流す電波の無駄遣い、それによる視聴率第一の商業主義、いくらでもある。

NHKに至っては、その内容はともかくとして、強権的な視聴料徴収方法や、それを社会問題として認めない自己組織防衛の姿勢。

そういうマスコミに、協力する気は当然なかったのであるが、今回依頼のあった新聞社は、マスコミの中でも、経済に特化した新聞社であり、前述の課題感をこれまで感じたことはないマスコミであった。NHKなどは嫌悪のあまり見るのをやめてしまった程だが、この新聞は、株式取引や経済指標の確認など、ずっとお世話になってきた。

早期退職は、日本企業のこれからの大きな問題であり、現役世代の方々がその実態を理解して準備しなければならない問題でもある。それについて、この新聞社が記事にするのであれば、しっかりと事実や課題を伝えてくれるのではないかと思い、取材を受けることにしたのである。

 

 

取材ってどんな感じなのだろう・・・

筆者にとっても、そのような取材を受けるのは、始めての経験であり、興味津々で新聞社に向かった。

大きな新聞社だけに緊張もしたが、そこで初めてであった記者の方は、とても若い女性の記者さんであった。女性に失礼ではあるが、年齢は20代に見えた。物腰も柔らかく、大新聞社の権威を感じさせることもなく、とても気持ちよく取材を受けさせて頂いた。

忙しいだろうに、このブログの記事をしっかり読み込まれており、記事の内容に纏わる質問が来る。そうすると、いや実はその時にこう思ったんです・・・と話を引き出されてしまうのだ。まさにプロの取材であった。

気持ちよく喋らさせてもらったものの、後で考えると、記者さんはとても若い方であり、早期退職や老後などの話などとは無縁、まさに自分の反対側にいるマスコミエリートの方だ。35年同じ会社に勤め、挫折とともに早期退職し、第二の人生を模索している58歳のおっさんの話す事、心情がどのくらい理解できるものなのか?そういう心配は若干あったが、とにもかくにも、気持ちよく1時間か2時間ほどか、想像以上にじっくりと話を聞いてもらったのである。

その後何度かメールでのやるとりがあり、記事に貼る写真を撮りたいということで、カメラマンの方と一緒に、自宅に来て頂いたのだ。記者さんというのも、本当に大変な仕事である。

これで一連の取材は終了。あとは記者さんが記事を書き、恐らくは新聞社内の様々なチェック、レビューを受け、何度も書き直しされたことだろう。なんとか社内のチェックをパスして、いよいよ新聞に掲載されることになったのである。

 

いつものネットを開くと自分の事についての記事が出ていてびっくり!

土曜日の早朝だっただろうか。

起床後に、いつものルーチーンで金曜のNYのマーケットの結果を確認すべく、その新聞の電子版サイトを開いてふと見ると、なんとトップページの一番上の大見出しの所に自分の記事が出ているではないか!「早期退職」のキーワードが目についた。

要は一番目立つところだ。アクセスランキングを見ると、その時点では2位だったが、そのうちに1位に。その後の記者さんからのお話では、とても多くのアクセスがあったそうだ。嬉しい話だ。

もちろん土曜日なので、他の経済情報が少ないという前提はあるのだが、まさかそんなトップ記事の場所に置いてもらえるとは想像もしていなかった。

そして、電子版だけではなく、紙の新聞にも掲載された。日曜朝刊であるが、新聞の一番最後のページをめくったところ(裏表紙の裏のページ)にかなり大きなスペースで掲載されている。

面白かったのは、電子版での記事見出しは、「早期退職で生きなおしを模索・・」的なソフトなものであったが、紙媒体の記事では、「手切れ金を糧に再出発」とより大きい文字で、より目を引く単語での見出しになっていた。もうちょっと派手な見出しが必要だな・・などと紙面記事部長に言われてしまったのだろうか・・・申し訳ないことだ。

早期退職の加算退職金は、まさに手切れ金のようなものであり、さすがに上手い言葉を見つけるものだと感心である。これでより多くの人の目を引き、読んでもらえればありがたい事である(こういう事の行き過ぎは困るが)。

 

その記事で書いてもらった、いくつかの心に残った文章を引用しておきたい。

「役員の肩書で定年を迎えたい。せめて⼦会社の社⻑になれたら」。漠然と⽢い⾒通しでいた⾃分を恥じると同時に、⻑く会社を⽀えてきた世代をあっさり切る会社の厳しさに驚かされた

社員証を返し、私物が⼊った荷物を抱えて会社を出ると、守衛から「⻑い間お疲れさまでした」と声を掛けられ、涙があふれそうになった

退社から半年。(中略)平⽇に妻と映画や⽇帰り旅⾏を楽しむ。外⾷を減らしタクシーに乗らず、家計簿をつけて無駄遣いをやめた。「⼈⽣を⽣き直している」と思えるようになった。

松川さんは今、不動産投資や起業の準備にも取り組んでいる。会社からの”⼿切れ⾦”はまだ懐にある。「失敗は怖いがリスクを取る⼈⽣も悪くない」。もっとも「⽼後資⾦2千万円」問題など、⾼齢者を取り巻く環境は先⾏き不透明だ。早期退職で得た時間をどう使うか。⼿探りが続く

 

記事内では、筆者は「松川さん」なのである(笑)

特に3つ目の引用文にある、「人生を生きなおしている」という言葉は嬉しかった。自分が取材で言ったのか、記事にあったのか、記者さんが考えてくれたのか不明ではあるが、まさに今の瞬間は、この言葉を感じている毎日なのである。決して、35年間の会社員生活を後悔しているのではない。それがあったから、今、このように第二の人生を生きなおせることができるのだ。そういう想いを伝えることが果たして出来ただろうか。

だからこそ、今の現役会社員の方にも、将来を悲観し、諦めることなく、現役時代の日々を熱意を持って生き、さらには投資や経済に関する勉強をし、将来の第二の人生を楽しむために備えて欲しい。仮に第一の人生にそれほど満足していなくても、第二の人生を楽しめるチャンスはあるのだ。それが、この取材を通して、このブログを通して伝えたいことだったのである。

 

大変若く、また性別も異なる記者さんであったが、このように、まさに自分が伝えたいメッセージを記事の中心にしてくれたことに、大変感謝している。自分の早期退職という人生のビッグイベントの記念、そしてなにより総括になった。これから、このブログも、早期退職のノウハウ・情報よりも、第二の人生のスタートに関する内容が増えていくことだろう。

早期退職したことは、自分の中で過去の出来事になり、新たな毎日を楽しく生き、新たな将来に夢を抱く。早期退職後、半年以上たったが、そういう変化がまさに今、訪れているのである。

 

最後に、

その記者さんから、掲載された新聞と、丁寧な手紙を頂戴した。

若い記者さんが、自分の話や経験した事をどう捉えて頂いたかはわからないが、何十歳も離れた早期退職者と若い記者さん。たまたまブログを見つけてくれて、連絡を頂き、出会い、語り、記事ができた。早期退職という出来事があったからこその出会いであった。そして、その出会いが、自分の人生にひとつの区切りを与えてくれた。こうして出会い、大変すばらしい記事を書いてくれた記者さんに、心からお礼を申し上げたい。

手紙の中に、少し休みをとって、外国に語学の勉強をしに行くと書かれてあった。

自分自身も外国に出たことで学んだことは多くあった。客観的に母国を見ることもそこで学んだ。これからの新聞社を支える若い有望な人材として、是非、たくさん国外に出て、国外の人と出会い、母国の事を語ってもらえればと思う。そのためにも、多くの言葉を勉強することは大切であり、将来大きな財産・価値になるであろう。

期間は限られると思うが、多くの言葉を覚え、多くの人と知り合い、多くの多文化に触れることができるよう、そして帰国後も日本のトップメディアの中で多くの人の人生を拾い上げ、社会正義を貫く記者になられるよう、心からエールを送りたいと思う。頑張れ!記者さん!

 

     
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