前の記事では、寄付をするところまで書いた。是非、もう一度確認して頂きたい。
今回はその続きである。
前の記事の最後でワンストップ特例の話をした。実際問題、どうやって、この寄付金を取り戻せるのか。その話をしなければならない。
ふるさと納税は、まず寄付をする
楽天やふるさと本舗のような、寄付を仲介するふるさと納税ポータルサイトを使って、応援したい自治体や、希望の返礼品をもらえる自治体に対して、寄付をできることは前の記事で説明した。
今回のように20万円の寄付をして(来月にはクレジットカードから引き落とされる)、返礼品(今回は8万円のアマゾンギフトカード)をもらえるまではよいが、このままでは12万円損してしまう。
心配無用である。これがふるさと納税のすごいところだ。
払った寄付金は来年の住民税から減額される
来年は、もちろん住民税を払う義務がある。大きな収入の変動がなければ、今年とほぼ同じだけの住民税を来年も払うわけだ。自分の場合だと、今年の1年間に払った住民税の総額は約138万円になる。
なにもしなければ、来年も同じレベルの住民税を給料から徴収される(天引き・源泉徴収)わけだが、ふるさと納税制度では、ぶるさと納税として寄付したお金(今回の場合は20万円)がほぼそのまま、来年の住民税から減額されるのである。
今回の場合だと、例えば来年の住民税が同じく138万円だとすると、寄付した20万円を引いた、118万円に減額される(118万円しか天引きされない)。
厳密には、減額されるのは、寄付金額-2000円なので、2000円は自己負担となる。来年の住民税は、138万円-(20万円-2000円)=1182000円になる。
このように、寄付した額がそのまま来年の住民税から減額されるので、プラマイほぼゼロ。ただで、アマゾンギフトカード8万円が手に入ることになるのだ。
来年の住民税から減額されるための手続きを忘れるな!
さて、来年の住民税から、寄付した分がちゃんと減額されるには、手続きを必ずしなければならない。
2つの方法があり、「確定申告をする」、または「ワンストップ特例制度を使う」になる。
確定申告というのは、ちょっと面倒な手続きだが、これまで確定申告したことがない人は、だいたい後者のワンストップ特例を使えばよい。
確定申告では、来年の2月ごろに、申告書類をいろいろ用意して、税務署に行って手続きをすると、この寄付金分が住民税から減額されるようになる。
ふるさと納税のためだけに、この確定申告をするのは面倒だ。
この面倒さが、これだけお得なふるさと納税を多くの人がしない原因になっているのかもしれない。
ワンストップ特例は簡単!
条件を満たせば、面倒な確定申告をしなくても、手続き可能なのだ。条件とは、
- ふるさと納税する自治体が1年間で5自治体まで
- 他の理由含めて、確定申告をする必要がない人
1年間で10自治体に寄付(ふるさと納税)したとかいう方は、確定申告しなければならないわけだ。
ワンストップ特例も申請が必要。〆切は来年1月10日まで!
この〆切に要注意である。特に今、年末ぎりぎりで慌ててふるさと納税しているあなた! 必ず年明け1/10までに、寄付した自治体にワンストップ特例の申請書類を郵送しなければならない!
自治体にもよるが、寄付したあとに、申請書類を郵送してくれる場合には、それに記入して必要な情報(マイナンバーカードのコピーなど)と一緒に、自治体に郵送で戻す必要がある。申請書を自分でダウンロードして、記入して郵送という場合もある。自治体ごとに申請の方法を確認して、確実に間に合うように完了したい。
ちなみに、寄付1回ごとに、1回の申請が必要になる。前に同じ自治体に寄付して、その時ワンストップ特例申請したから、今回は申請不要ということは絶対ないので注意して頂きたい。
ワンストップ特例申請するならマイナンバーが便利
ワンストップ特例申請書は、1枚の紙で記入は簡単だ。たとえばこんな感じ。
加えて、添付書類が必要なのだが、マイナバーカードがあれば、そのコピーだけでよい。
マイナバーカードがない場合には、住民票と運転免許のコピーとか、複数の証明書をコピーして送る必要がある。これからふるさと納税を活用する人は、マイナバーカードを入手しておくとよいかも。
で、すべての書類・資料を用意して、自治体に郵送すれば、手続き完了である。あとは自治体同士で処理して、無事来年の住民税から減額される。
これですべての手続きは完了なのだ。あとはゆっくり返礼品が送られてくるのを待つだけ。念のために、来年の住民税が減額されていることを来年確認したほうがよいかも。
これだけ得するふるさと納税だが、無制限にできるわけではない。上限額が決まっているので、最後に次回はその話を書きたい。