海外永住するために 準備編(2) パソコン環境どうする?

 

フィリピンに2ヵ月も滞在して、その間、いろいろ不自由なく活動するには、それなりに準備が必要である。

すべてデジタル化した高度なIT環境で生活している自分にとって、ネットワークやPCが自由に使えないのは、両手両足をもぎ取られたのと同じである。まずこの点について準備していかなければならない。

ちなみに、現地ではすでに自宅にインターネット(globe)が設置されている。また、自宅の外では、いわゆるモバイルルーターがあるので、4G経由でのインターネットアクセスは可能である。

さらに、今回は、現地の電話・データSIMを購入し(プリペイド)、余っているスマホにそれを入れて、2台体制とする予定である。1台は現在使っている日本のSIMが入ったもの、もう1台は、フィリピンの現地のSIMが入ったものになるということだ。こうすると、フィリピンのローカル電話番号でローカル通話をすることができる。(あまりこれを使うことはないと思うが・・・)

そして、ハードウェアとしては、先日購入したiPad air4および、以前購入したSurface Laptopを持って行く予定だ。いろいろ向こうで作業があるし、日本を2ヵ月も留守にするためには、日本での作業をほとんどフィリピンでできないと心配である。たとえば、銀行からの送金とかの作業だ。

Surface Laptopは、フィリピン自宅に設置する現地のメインPCとして、iPadは普段持ち歩くモバイル端末として使用する予定である。

ちなみに、日本の環境であるが、自宅に設置したデスクトップパソコンにすべて集約されており、あらゆる作業はそのデスクトップパソコンで行っている。このパソコンがないと生きていけないのである。重要なデータはもちろんクラウドに格納されているので、海外からのアクセスは問題ないはずだ。しかし、日本のデスクトップでやっていた作業が、海外のSurface Laptopでも同様にできないとストレスになる。なんせ2か月間以上なのだから。

こういう時に日本のメイン環境がデスクトップだと不便である。そろそろ日本のメイン環境もデスクトップからノートパソコンに移行するべきなのか。そうすれば、このような時に、そのメインノートPCをフィリピンに持っていけば簡単ではある。ただし、日本のデスクトップPCは2モニターで使っているので、同じことがノートPCでできるのだろうか。いろいろ面倒ではある。

 

LINEはどうするか

いろいろな人とのコミュニケーションのメインになっているのは、もはやLINEである。電話やチャット含めて、LINEなしにはいられない。もちろん、LINEは日本のスマホの電話番号に紐づけられているが、wifiあれば使えるので、日本のスマホをそのままフィリピンでwifiに接続すれば普通に使えるわけだ。しかし、フィリピンで外出している場合には、日本のスマホを常にモバイルルーターにwifi接続しておかないと、タイムリーにLINEを受信することができない。これはちょっと面倒である。

フィリピンで購入予定のローカルSIMで、新たにLINEアカウントを取得することは可能だが、別アカウントになってしまうので、あまり意味がない。いろいろな人に、今はフィリピンなので、こちらの新しいアカウントにLINE下さいとかお願いしなくてはならなくなるし、現実的ではない。

LINEについては、日本のスマホおよび現地メインPCとなるSurface Laptopにて、wifi環境で受信するということしかないであろう。これができれば、実際、十分である。

ちなみに、LINEは、基本となる日本のスマホでのLINEアプリの他に、iPad、Windowsパソコン上で同時にLINEアプリを使用可能である。いくつかの複数のデバイスで同じアカウントでLINEを使用できるのは大変助かるのだ。

 

日本のデスクトップPC環境はどうするか

前述のとおり、日本の母艦であるWindowsデスクトップPCで様々な処理をしている。オフィス系の文書を書いたり、このブログを書いたり、ブログ用の写真を編集したり・・・様々である。

この環境はほぼ、Surface Laptopに構築済である。データがクラウドにあるので、その点でも同じ環境を作るのが楽なのである。

  • 各種個人データ:ONE Driveに同期しているので、Surface Laptopでも同じアカウントで同期すれば、デスクトップPCと同じようにアクセス可能。
  • オフィス:Office365を契約しているので、wordやエクセルなどのアプリを、Surface Laptopにもインストール可能。iPadにも入れることができる。
  • 画像処理:Adobe Creativeクラウドを契約しているので、PhotoshopをSurface Laptopにもインストール可能。 iPadにも入れることができる。
  • メール:Gmailしか使用していないので、普通にSurface LaptopやiPadからアクセスすることが可能
  • ブラウザ:Chromeを使用しており、ブックマークなどすべて勝手に同期されているので、特に準備することなく、SurfaceLaptop, iPadで使用可能

ここまでできれば不自由はないが、なにかあった時のためと、デスクトップPCでやっているテレビ番組録画を操作するために、フィリピンからリモートデスクトップでのアクセスができるようにしておいた。要は、フィリピンのSurface Laptopから日本のデスクトップPCをそのまま操作できるのだ。セキュリティが心配ではあるが、できるだけ安全な環境を構築するのだ。

今回は、VPNをSurface Laptopと日本のデスクトップPCの間に構築して、VPNのパイプの中で安全にリモートデスクトップアクセスを行う環境を構築した。SoftEther VPNというフリーのソフトがあるので、そのサーバを日本のデスクトップPCで立ち上げ、Surface LaptopからそのクライアントソフトでVPNを構築することができるようになった。最近はやりのリモートワークで、自宅PCから会社のサーバにアクセスする際に使う手法と同じである。この構築方法については、また別記事で詳細に書くかことにしよう(書かないかもしれない・・・・)

このような環境は、どれだけ安定して使えるかがキーになるので、実際に現地から長期間使ってみないとその使い勝手はわからない。ただ、この環境があると、時々日本のデスクトップPCやルーターを再起動させることができるので、その意味でも是非、準備しておきたい環境である。

 

Amazonプライムビデオをどうするか

これが実は一番切実な問題だったりするのだ。

日本では暇な時間によくAmazonプライムビデオで映画や海外ドラマを見て楽しんでいる。もっと正直に言うと、それらを見てちょっと疲れたら休憩もかねて、それ以外の作業をしているという状態である。

で、何が困るかというと、フィリピン含めて、海外からAmazonプライムにアクセスすることは可能なのだが、著作権の関係で、フィリピンでは視聴できない作品がほとんどなのだ。アクセスするIPアドレスから、それがフィリピンからだと分かってしまうので、その場合には、エラーが出て、映画などを見ることができないのである。

これについては、ネットで探すといろいろな情報が出ているのだが、有料であったり、不安定であったり、なかなか良い解決手段がない。自分の場合は、日本に拠点があるままなので、そこを使って、日本からアクセスしているように見せる仕組みを作ればよいのだ。

またVPNの登場である。海外でPrimeビデオを視聴するデバイスあるiPadから日本にVPNを張り、そのVPNの中でAmazonにアクセスすれば、日本のIPアドレスで(それも普段使用している日本のデスクトップPCからのアクセスと全く同じIPアドレスの種類で)アクセスすることになるので、Amazonは絶対にそれを拒絶することはできないのである。

で、今回は、日本の自宅で使用しているルーターの持っているVPNサーバ機能(IPsec/L2TP)を使うことにした。これであれば、iPadとこのルータの間に簡単にVPNを張ることができる。iPad になにか特別なソフトを入れる必要もなく、標準のVPN機能を使って、日本の自宅にあるルーターに対して接続してやるだけだ。この状態で、Amazonプライムビデオにアクセスすると、日本のルーターの持っている日本のIPアドレスでアクセスするので、Amazonには、フィリピンからアクセスしていることを気が付かれないわけである。

ただこれはまだ実際にフィリピンから使ったことがないので、うまく行くか不明だ。またこれは現地からレポートしよう。

お使いのルータに、このようなVPNサーバの機能がない場合には、前述のSoftEtherを使うことも可能である。ただこの場合、ちょっと設定がいろいろ大変なので(ルーターのポート開放設定などが必要)、できればVPNサーバ機能のあるルーターを使うのが良いであろう。ちなみに、自分の使っているルーターはこれだ。

このような機能を使う場合、少し心配なのはそのVPN機能の安定性である。結構なデータをVPN経由で通信するので、安定していないとすぐにルーターがハングしてしまったり、VPNコネクションが切断されてしまったりする可能性がある。このあたりも、現地から使い込んでみないとわからないのである。

SMSをどうするか?

これも大事な話である。

最近はセキュリティ強化のために、二重認証とか言って、普通にネットでログインすると、登録してある日本でスマホ(電話番号)に対してSMSが発信され、そのSMSに記載されている番号をネット上で入力しないとログインできないとかが多くなってきた。

たとえば、銀行のオンラインバンクでの送金処理などがそうだ。その他にも、このような電話番号宛てのSMSを使った二重認証を使っているサービスは多い。

この場合、日本のSIMの入ったスマホでこのSMSを受信できないと困ったことになる。では、フィリピンでこの日本の電話番号宛てのSMSを受信することは可能なのだろうか。

ちなみに、現在の日本のスマホは、Biglobeモバイルの格安でドコモラインである。調べたところ、申し込みをすれば、国際ローミングが可能になる。要は、日本のスマホ(SIM)をフィリピンで使えるようになるのだ。ただし注意が必要で、使えるのは通話とSMSだけだ。データ通信は使えない。通話は、いわゆる国際電話料金になるので非常に高い。日本からは普通に日本の電話番号にかけた通話が、そのままフィリピンに転送されてくるので、それをほいほい受けていると、とんでもない通話料があとで請求されることになる。

ただし、SMSの受信については無料のようだ。データ通信もできないので、日本からの通話をとったり、多くのSMSを送らなければ、料金的には心配ないのかもしれない。いずれにしても、国際ローミングを使用するのは、注意深く、最低限の使用にとどめたいものだ。

Biglobeモバイルの場合、この国際ローミングの料金が5万円を越えると、自動的にその機能をオフにしてくれるので、最大でも5万円の支払いで済むようである。いずれにしても、これの使用は注意するべきである。

 

さて、あとは出発まで、この環境を使ってみて安定度の確認をしておくのだ。マクドやスタバのようなフリーwifiのある店で、外部からVPNを接続し、そのVPN上でデータ転送を重ね、問題ないか確認するのだ。そして、外からルーターやデスクトップPCを再起動して問題なく復旧可能かもテストしておこう。

続く

     
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