先日の「怒りニュース」で、メガバンクの企業努力のなさに怒り、退職金の運用メイン口座をネット銀行に変更する事について書いた。
「怒りニュース」兼「節約生活」だ。 とにかく怒っている! 何に怒っているのか。 銀行にだ! 昨日起きた怒りの出来事とは? 昨日、こんなことがあった。 妻の友人(外国人)の[…]
前編の怒り暴言編は↓からどうぞ [sitecard subtitle=関連記事 url=https://ryo-japan.jp/retirement/archives/1124/] ということで、メインバン[…]
簡単な比較ではあったが、既存の銀行とネット銀行では、ATM手数料や振込手数料などの利用者にとってはコストの部分に随分と差があることがわかった。
既存のメガバンクのメリットは何か?
もう一度、有名な既存の銀行を使うメリット(ネット銀行を使うことに対する)を考えてみよう。
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なんといっても長年の歴史に対する安心感。いざという時にもちゃんとしてくれるだろう。たくさん他に利用者もいるし。
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給与振り込み口座など、企業側がネット銀行への振り込みをサポートしていない。
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あらゆる金融商品を提供(住宅ローン、外貨預金、投資信託など)しており、すべての取引を1行に集約できる(面倒がない)
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全国に支店があり、便利。相談するときに安心。
などだろうか。やはり一言でいうと、多くの人が長年使ってきた安心感であろう。
これは自分の感覚もそうなので理解できるが、ある意味、日本で新しい企業やビジネスが生まれない根本的理由もしくは文化価値観的な背景なのであろう。日本では企業の寿命が長い(創業100年以上の老舗が多い)と自慢していた記事を過去に読んだことがあるが、それは確かに誇らしいことでもあるが、逆に言えば新しい挑戦者が出ない、育たないということの裏返しでもある。
ネットバンクの優れたところは何か
上記のメガバンクのメリットは、ある意味すべて、コスト高という形で我々利用者に跳ね返ってくる。
全国の大きな駅前に必ずある立派な支店を維持するコスト。投資信託など暴利な銀行手数料。儲からない金融商品への損失補填(専業ではない百貨店的ビジネスモデル)。日本の経済を支える責務に対するコストリフトアップ。などなど、銀行の機能が大規模化、複雑化してきたことで、利用者のコスト負担が大きくなっていることは明白だろう。
もっとビジネスモデルをシンプルにして、利用者コストを下げたのがネット銀行である。
- 支店は極端な場合ゼロ。すべてネット上での決済に限定。(支店・人員コストカット)
- 外貨預金、定期預金など、得意の金融商品を絞ることでの差別化、資源集中によるコスト最小化(儲かる商品だけに特化)
- 一律ではなく、儲かるお客(預金残高や利用商品の多い上客)に対してより便利なサービス提供(手数料無料化、利率上乗せなど)し、損を出さない利益モデル
要は、ネット化、専業化、筋肉質化により、利益率を高めたビジネスモデル変革で、銀行も儲かるし、利用者もコスト低減が図れる。
そして、これを可能にするのは、いざという時に1000万円までは預金が保護される、預金保険制度の存在だ(いわゆるペイオフ)。ネット銀行もこの制度で保護されているために、最低限の安心感が担保されているということになる。
どのネット銀行を選べばよいの?
この記事では、いくつか特徴的なネット銀行を整理してみよう。上記のとおり、ネット銀行は得意分野やサービスが一律ではない。メガバンクなら駅前に支店がある銀行を選んでおけば安心ね、の世界ではなく、自分で自分に最適なネットバンクを選ぶ必要があるのだ。右へ倣えではなく、自分にとって最適なサービス、企業を自己責任で選択することで、利用者の意志を示すことができるのだ。企業努力を促すことができるのだ。
そんな固い話より、ネット銀行調査だ!
今回はまず、手数料比較を中心に見てみよう。どのくらい違いがあるのだろうか。なお振込み手数料はすべてオンラインバンキングによる振り込みでの手数料を前提にしている。ATMからの振り込み手数料などは異なる場合が多い。手数料の数字などは、現時点で調査したものなので、最終的にはご自分で最新の銀行サイトで再確認頂きたい。
住信SBIネット銀行
ATM手数料:
- ランクに応じて2-15回/月 無料。以降は108円/回
- イオン銀行、セブン銀行、ゆうちょ銀行、ローソン銀行、イーネットなど利用可
- ランク4:15回、ランク3:7回、ランク2:5回、ランク1:2回 無料
他行振り込み手数料:
- 三井住友信託銀行への振り込み 0円
- 上記以外の他行振り込み 1-15回/月無料。以降は154円/回
- ランク4:15回、ランク3:7回、ランク2:3回、ランク1:1回無料
顧客ランク:
- ランク4:500万以上の預け入れ資産
- ランク3: 300万円以上の預金残高, 住宅ローン利用中など
- ランク2: 30万円以上の預金残高
- ランク1: 上記以外
コメント・評価:
- バランスの取れたネットバンク。30万以上の預金(ランク2)からある程度のATM無料化、振り込み無料化可能。300万円以上の預金(ランク3)あれば、通常生活での手数料ゼロ化は可能。
- SBI証券との連携が強く、株式投資などとの連携で差別化サービスあり。
じぶん銀行
ATM手数料:
- ランクに応じて0-11回/月 無料。以降は108円/回
- 三菱UFJ, セブン銀行、ゆうちょ銀行、ローソン銀行、イーネットなど利用可
- ランク5:11回、ランク4:8回、ランク3:4回、ランク2:3回、ランク1:0回 無料
他行振り込み手数料:
- 三菱UFJ銀行への振り込み 0円
- 上記以外の他行振り込み 0-15回/月無料。以降は174円/回(3万円未満)、278円(3万円以上)
- ランク5:15回、ランク4:8回、ランク3:1回、ランク2:0回、ランク1:0回無料
顧客ランク:
- ランク5:300万以上の預け入れ資産
- ランク4:100-300万円の預け入れ資産
- ランク3: 50-100万円の預金残高
- ランク2: 10-50万円の預金残高
- ランク1: 10万円未満の預金残高
(上記は預金残高による目安。その他も条件あり。詳細確認要)
コメント・評価:
- 100万円以上の預金(ランク4/5)あれば手数料無料化は十分活用可能。
- メガバンク(三菱UFJ)との振り込みは常に無料であり、口座連携する場合有利。逆に言うと、それ以外での特徴はあまりない。
- 50万円未満(ランク2/1)だと手数料無料化サービスレベルは低い。最低でも50万円以上の預金が前提。
楽天銀行
ATM手数料:
- セブン銀行、イオン銀行, PatSat 216円/回
- イーネット, ローソン、ゆうちょ、三菱UFJ, みずほ 270円/回
- 口座開設後は、6か月間は5回/月まで無料。
- ランクに応じて0-7回/月 無料
- ランク5:7回、ランク4:5回、ランク3:2回、ランク2:1回、ランク1:0回 無料
他行振り込み手数料:
- 0-3回/月無料。以降は165円/回(3万円未満)、258円(3万円以上)
- ゆうちょ銀行本人名義宛て:103円/回
- 給与振り込みにすると、ランクによらず3回/月 無料。
- ランク5:3回、ランク4:3回、ランク3:2回、ランク2:1回、ランク1:0回無料
顧客ランク:
- ランク5:300万以上の預け入れ資産
- ランク4:100万円以上の預け入れ資産
- ランク3: 50万円以上の預金残高
- ランク2: 10万円以上の預金残高
- ランク1: 10万円未満の預金残高
(上記は預金残高による目安。その他も条件あり。詳細確認要)
コメント・評価:
- ATM,振り込み手数料無料化のサービスレベルは低い。振り込み無料化は最大でも月3回まで。
- 楽天スーパーポイントや、楽天証券との連携で差別化(金利優遇、ポイント還元率アップなど)。楽天サービス利用者以外だと、特に魅力なし。
セブン銀行
ATM手数料:
- セブン銀行 7:00-19:00無料 それ以外108円
- ゆうちょ銀行 昼間108円、夜間216円
- その他各種銀行ATM利用可能だが有料(三菱UFJ,りそな、みずほなどなど)
他行振り込み手数料:
- セブン銀行内:54円
- 他行宛て:216円
コメント・評価:
- メリットはセブンイレブンでのセブン銀行ATMの昼間利用は何回でも無料になること。これは大きいメリットだが。
- それ以外のメリットは見いだせない。銀行サービスではなく、セブンイレブンにATMを置きたいから作った銀行という感じ。
イオン銀行
ATM手数料:
- イオン銀行ATM(全国イオンなどに設置) 終日無料
- 他行ATMは、ランクに応じて1-5回/月 無料
- ランク4:5回、ランク3:3回、ランク2:2回、ランク1:1回 無料
他行振り込み手数料:
- 0-5回/月無料。以降は216円
- ランク4:5回、ランク3:3回、ランク2:1回、ランク1:0回無料
顧客ランク:
- ランクは、イオンカードの利用代金、住宅ローン、投資信託残高などの利用状況の
ポイントの総和で決まる。通常の利用では最低でもランク2以上になるだろう。
コメント・評価:
- イオン系で買い物(イオンカードで決済)するのが中心の方には連携メリットあるが、それ以外が特にメリットなし。その買い物客の囲い込みのために作った銀行なのはセブン銀行と同じか。
- ランク4になると普通預金の金利が0.12%となり高い。(でもしょせん0.12%) 定期ではなく、普通預金金利アップは特徴的だが。
SBJ銀行
ATM手数料:
- セブン銀行、イオン銀行 何回でも無料
- イーネット 10回まで無料
- ゆうちょ銀行、みずほ銀行 3回まで無料
- 上記以外は108円
他行振り込み手数料:
- 7回まで無料。それ以外は108円
顧客ランク:
- プレミアムクラブでランクが上がると、ATM・他行振り込みはすべて無料になる。
- ランクは、預金残高、住宅ローン利用などのポイント加算制
- 目安として、すべて無料になるシルバークラスになるには、普通預金残高500万円以上または、普通預金残高300万円以上+住宅ローン利用などが条件になる。
コメント・評価:
- 韓国の銀行の日本展開。もちろん預金保険制度で保護されている。
- 外資銀行だけあって、手数料無料化レベルは断トツ。
- 500万円以上の高額預金をすれば、ほぼ手数料は無料。割り切ったサービス展開。
- 定期預金金利などもかなり高く(最高0.25%)、他行差別化を意識している。
- 外資であることが気にならなければ、かなりお勧め
どのネット銀行を選べばよいの?まとめ
上記で見てきたように、ネット銀行は、かなりサービスレベルが異なる。汎用的な総合銀行を目指すのではなく、ある領域の顧客をターゲットとか(イオン銀行、セブン銀行、楽天銀行など)、証券会社連携重視(SBI銀行、楽天銀行など)とか、ターゲットが明確である。
自分にとってどれが合うのか、または今後合わせていくのかを明確にして、最適なネット銀行選択が重要である。
自分の場合、住信SBIネット銀行は、そのバランスの良さでメイン口座として選択した。現在検討中なのは、SBJ銀行である。かなりサービス内容は魅力的。外資の割り切り、強さを感じる。個人的なお勧めはSBIとSBJである。
今後さらに、新生銀行、東京スター銀行など、他のネット銀行情報も追加していくので、お待ち頂きたい。
なお、上記情報はあくまでもRYO-JAPAN調べです。もしかしたら、間違ったまたは古い情報になっている可能性もあります。最終判断の場合には、最新情報を必ず再確認してください。お願い致します。