1年ぶりにUber Eatsの配達業を再開したことを先日の記事に書いた。
手軽に現金収入が得られることもあり、Uber Eats配達員業務を再開したのである。 前回の早期退職直後にもやっていたのだが、再就職と共に冬眠となったのだ。このサービスの良いのところは、1度登録すれば、どれ[…]
決してお金を稼げる仕事ではないし、体もきついのであるが、結構気にって働いているのである。
先週は週6日稼働した。ランチタイムのみの日もあれば、ディナータイムもの日もある。1年前は、横浜駅方面まで遠征していたので、ランチピークを過ぎて注文がなくなった暇な時間帯をそのまま外で待機して、夕方の注文を継続するというのは体力的も精神的も不可能であり、ランチタイムのみしか稼働していなかった。
一旦、ランチタイム後に家に帰宅すると、また30分かけて配達地域までディナータイムに遠征していく気力はわかないのである。
今回は、家の近所で働いているので、ランチタイム(11時~2時ごろまで)に働いたら一旦帰宅し、自分のランチをとりながら休憩。また4時頃から夜まで稼働するという2部制での働き方が可能になって非常に売り上げも増やすことが可能になったのだ。1日でだいたい20回程度の配達をすることになる。稼ぎはたかが知れているが、単純作業の繰り返しで黙々と働くのが自分には向いているようだ。
1年目前と変わった事
新しいものに保守的な傾向の強い日本気質であるが、 Uber Eatsも例によっていろいろ批判されているようだ。
一番は配達員の無謀運転や、店の近くで待機する「Uber地蔵」などと呼ばれている配達員の行為に対する批判である。まあ、外から目にするのは配達員なので、それがやり玉になるのは仕方ないのであるが。
こういうビジネスモデルというか、サービスを受け入れるなら、ある程度のマイナス面は仕方ない。それで成り立っているサービスなのだから。1回いくらで働く配達員を個人事業主として作業委託するモデルなので、安く人を集めることができるのだ。そういう配達員には、数をこなしてお金を稼ぐという必要があるので、早く移動したいし、注文の多い店の近くで待ちたくもなる。当たり前のことだ。
これを社会が容認しないのであれば、自社で配達員をかかえて、給料性・時間給にして自社教育もしっかり行い、多くのコストをかける構造になる。当然、今のような配送料では済まない。今でさえも相当な金額を払っているはずなのにだ(1回の配送で300円~700円ぐらい利用者が払っているはず)。当然、サービスとして成立しなくなり、もとの不便な社会に逆戻りである。
社会の底辺である配達員に、マナーや良識などを求める日本社会の甘さに呆れるばかりである。そういう人種や階層も世の中にはいるのだ。そして、そういう底辺のサービスを安く提供する層がいるから、便利な社会を多くの市民が享受できていることをわきまえずに批判するだけの愚かさである。
それはともかく、多くの批判にさらされているためか、Uber Eatsの働き方もいろいろ変化している。1年前との大きな違いは、インセンティブの形態である。
インセンティブとは、ある条件にヒットすると、通常の配達料の1.2倍の金額をもらえるとか、通常の配達料に上乗せしたボーナスがもらえるとか、配達員を多く稼働させるための餌である。
1年前によく獲得したインセンティブは、「金曜日から日曜日までの3日間でxx回以上の配達を達成すると、3000円のボーナス支給」とかであった。そのxx回の規定数を達成してこのボーナスを獲得すると、さらに新しいインセンティブでYY回以上で追加5000円のボーナス支給と、継続的に配達回数が増える程、より大きなボーナスが支給される仕組みであった。
上は今週末の金曜日から月曜日の間に、40回の配達をすると3200円がもらえるということだ。通常の配達料に加えてなので、うまくやると、土日の稼働だけで25000円程度の収入になるということだ。
1年前のインセンティブでは、ひとつのインセンティブを達成すると、次のより高いハードルのインセンティブがオファーされ続けたので、とにかく配達すればするほど高いボーナスを獲得できた。
要は、1回でも多く配達したいという欲望が強くなるのだ。そのため、無茶な運転もするし、遠い場所への配達は拒否するなどの弊害もあった。
今回であるが、配達回数稼ぎのための批判に対応するためであろうが、このインセンティブの形態が変わっていたのだ。
継続的により高いボーナスを獲得できるインセンティブが提供される制度はなくなり、事前に、いくつかのインセンティブの中から、ひとつだけを選ぶ形態となったのである。例えば来週の月曜日~金曜日を対象にしたインセンティブとして、
- 30回達成で2000円のボーナス
- 50回達成で4000円のボーナス
- 70回達成で6000円のボーナス
- 90回達成で10000円のボーナス
などから、ひとつ選ぶのだ。例えば50回を選んだ場合、50回配達したら達成で4000円のボーナスは確保できるが、それ以上配達してもなにもインセンティブはない。また、50回達成できなかった場合には1円もボーナスはもらえない。
要は、あまり無茶な目標設定をせず(目標未達成なら1円もあげませんよ)、実現の可能性の高いレベルで目標設定して、それを達成したらあとはゆっくり配達してください・・・的な形態になったということである。
恐ろしいのは、70回達成を事前選択し、69回頑張って配達しても、1円もボーナスが出ないのだ(1年前だったら、その前の段階の、30回、50回のボーナスは獲得できている)。
なんとなくわかるような、わからないような制度変更である。
これでも、やはり目標回数達成までの無謀な振る舞いは収まらないだろうし、体よく、インセンティブのレベルダウン(Uberとしてはコストダウン)したようにも見える。目標達成したら配達員のモチベーションは激減するので、配達員確保が難しくなり全体のサービスレベルは低下する弊害も出よう。
このあたりもあって、最近街中では、1年前にはほとんど見なかった、ライバルの出前館がかなり増加している。Uber Eatsの条件の悪さに、配達員が出前館への移行や掛け持ちに切り替えているのではないだろうか。
Uber Eatsはやはり非常にアメリカンな会社であり、サポート体制なども冷たいし、対応は悪い。日本では、やはりそういう企業はどうしても淘汰されていくのであろう。まあ、日本国内の出前業ぐらい、国産企業で頑張っていきたいものである。
出前館に転職しようかな(笑)